駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

星組 『激情』 柚希礼音

ヅカ観劇日記。
(滅多にない観劇日記です~。うれしいー\(^o^)/)
 
「激情」は宙組のを見たときから、好きな作品でした。
今回のも本当によかった…(感涙)
ずんはな(姿月あさと花總まり)のホセとカルメンも素晴らしかったですが、
ちえねね(柚希礼音&夢咲ねね)はまた違うホセとカルメンでした。
 
ずんちゃんのホセは愛に溺れていく男。
はなちゃんカルメンは、すがるホセに自分の道を迷わされるような感じ。
ちえちゃんのホセは、愛に堕ちていく男。
ねねカルメンは、そんなホセに自分も引きずられそうになって葛藤する、
そんな風に見えました。
ねねちゃんがよかったよ、ねねちゃん!
ちえホセは全力で愛に突き進むんですよー、
カルメンも余裕持って相手なんかできない。
そんな必死なねねちゃんが、二人のぎりぎりっぷりを表していてよかったです。
 
ちえホセ。
カッコよかったですねー。根がとても真面目な不器用な軍人さんでした。
カエラにも母さんにも優しくて、
カルメンを選ぶことをとても申し訳なく思ってるんですね。
でもカルメンを見たら、もう彼女しか見えなくて。
「一緒に幸せになろう」とカルメンを包み込もうとするホセを
カルメンが「それじゃ自分の道を自分で生きられない」と
必死に振りほどこうとしているように見えました。
情熱的で一途なホセでした。あんな風に想われたいなどと思ってしまいますね~。
ちえちゃんの歌はいい。本当に。
ホセの苦しみに、見てる方の胸もぎゅうと掴まれるようでした。
これを生で聴けたことは本当に幸せだったと思います…。
 
ねねカルメン
最初の「媚びる女」を演じるカルメンのシーンでの、
下品な感じでしゃべるのが気になったんですが、
あれは町の人が眉をひそめる「ジプシー」なんですよね。
けんか相手にナイフで顔を傷つけるシーン。
花ちゃんは、一瞬の笑みでカルメンの高慢さを表してて、
ねねちゃんは、一気に向かっていくことで激しさを表していたように思えました。
そういう違いを見ていくのも再演の面白さですよね。
このカルメン、ねねちゃん体当たりの演技でやってくれました。
迫力あります。
ガルシアもエスカミリオもちえホセに押されぎみにも見えたけど(苦笑)、
ねねカルメンは負けてなかったと思います。
頑張ったなぁ、ねねちゃん(涙)
 
すずみん(涼紫央)のガルシアは、どうしてもちえちゃんと体格差がありすぎて、
ホセと対峙すると見劣りしてしまいました…。
あのちえちゃん相手にガルシア役って、相当難しいと思います。(ちえちゃん、強すぎ…)
エスカミリオのともみん(夢乃聖夏)も、
カルメンに気障ってるシーンとか頑張ってましたが、
ちえちゃんのライバル役としてはちょっと物足りなかったかな…。
 
さて、二役のすずみん、メリメの役はよかったですー。
ちえちゃんとのハーモニーもきれいだったし、
すずみんの人柄が表れてるようなすごく温かいメリメでした~。
狂言回しとしては、感情入れすぎてたのかもしれないけど、
(あの立ち位置は非常に難しい…)
ホセに寄り添うメリメが物語の良心になってると思いました。
 
せあらちゃん(妃咲せあら)のミカエラは控え目で優しい女性でした。
カエラも加減が難しい役ですよねー。
宙のミカエラ(陵あきの)は情に訴えすぎていて、うっとうしくもみえたんですが(苦笑)、
今回のように控え目だと、印象薄く感じられました。
カルメンとまともに対峙しないから、表現しづらそうですよね…。
 
あと気になった人は、真風くん(真風涼帆)。
もともとずっと気になってるんですけどね。
歌、お芝居、演技とどれも突出したものはないように思うんですが、
(今回、歌は本人比で頑張ってたかなぁ)
生で見てみて…なんでしょう、やっぱり雰囲気がある気がしました。
動きの微妙な仕草に男役臭さを感じるというか…。
やっぱりチェックだなーと再確認。
それ以外では、じゅんなさん(水輝涼)と、れんたくん(如月蓮)が印象に残りました。
じゅんなさん好きだなー、やっぱり。
 
役者が変われば、舞台が変わる。相手が変われば、演技が変わる。
舞台を見比べることで、役者の解釈がより鮮明になる気がします。
再演の面白さですよね。
今回、星の「激情」。
大劇でやった宙とそのままは比べられないですけど
このお芝居の感動は、きっと再演できたはずと思いました。
舞台にとても感動して胸いっぱいの中、
周りの人が涙を拭いていた姿に、さらにジーンときました。
星組さん、素敵な舞台をありがとうございました。