駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

「カラマーゾフの兄弟」の5巻を読み終えました~。

ようやく読み終えました。
長かった、本当に長かった。半年以上かかっちゃいましたよ…。
だけど、訳者亀井さんの解説を読むと、再び頭から読み直したくなってしまうという、恐ろしい奥深さ!
 
難解であるのは、人物が多声的(ポリフォニー)に描かれているから。
登場人物は相反する性質をそれぞれ抱えており、発言が突然矛盾に変わったりするのだけど、
それに翻弄されながらも、その矛盾が人間的にも思え、段々引き込まれました。
突然、全然別の話が始まって混乱することも多く、話が一本ではなく、
たくさんの糸をより合わせていくように繋がっていくことも、読みにくさの一つでした。
でもそれが物語をより深いものにしているので、重厚感があって読み応えは十分です。
 
また、ドストエフスキーはこの作品の続編を構想していたようで、
それに繋がる伏線がたくさん引かれているので、それも混乱の原因になってしまってました…。
(特に序説と少年たちの話)
でも解説で次の小説の構想など知ると、実に巧妙に伏線が張られていることが知れ、
次の作品を読めないことが惜しまれます。(この作品を最後にドストエフスキーは亡くなっています)
 
とにかく一度読んだ程度では、とても理解しきれない、いろんな要素がてんこ盛りな作品です。
でもこれから読む人には、分からない所を読み飛ばしても楽しめる!と言いたいですね~。
大筋は「父殺し」。
そのストーリーだけ追って読んで、それ以外は多少切り捨てても最後まで楽しめると思います。
 
カラマーゾフ一家をめぐる事件なわけですが、
タイトルが「カラマーゾフの兄弟」であるのは、読み終えると納得できます。
確かに「兄弟」の物語でした。
カラマーゾフ万歳!