駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『初恋』 トゥルゲーネフ/沼野恭子・訳

ロシアづいてる今日この頃(笑)
先日見たタカラヅカもロシアが舞台(というよりソビエト時代だけど)だったし。
図書館でなんとなく手にして、読みやすさからついつい借りてしまいました。

<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。

少年ウラジーミルが年上の女性ジナイーダに恋する描写は、まさに「初恋」の瑞々しさ。
でも細部は「初恋」というには、ちょっとはみ出そうな危険な香りが隠れているようで、
そこにドキドキしました。
古典っていつも「意外に」展開がすごくて驚かされます。
教科書でお堅く紹介されるから、なんか真面目な読み物だと勘違いしてるんですね、私…。
古典と言われる作品は、今の世にまで残る「名作」ということを認識せねばなりませんね。

天真爛漫の中に、悪女の色香を漂わせた(ように私には見えた)ジナイーダ。
男性目線から女性を描くとこんな風に見えるのね~と、散々な振り回しっぷりを見つつ思いました。
きっとジナイーダ側から女性作家さんが書いたら、全然別人になっちゃうんだろうなーと思ったり。
でも読みながら、少年ウラジミールになりきり、
ジナイーダに振り回されるのは不快ではなかったんですよね。
それは名作のなせる技?ウラジミールの純粋さゆえ?

返却期限に追われて読んでしまって、なんかばたばただったのでちょっと後悔…。
この本は自分で買って、もう一度じっくり読んでみよう。
やはり「名作」と言われる作品は、手元に置いて何度も再読するものなんですね…。
最近特にそう思います。