駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

花組 『ルートヴィヒⅡ世』 愛華みれ

ヅカBS視聴日記。
 
タモさん(愛華みれ)トップ作品です。
 
まあまあ面白く見ましたが、色々中途半端にも感じました(^^ゞ
舞台演出とか、音楽はなかなか素敵で楽しかったんですけどね。
ただ「エリザベート」とかぶる部分もあって、中途半端にパクってるようにも見えて、
「なんかなぁ」と思う部分も多々あり…。ファンサービスのつもりだったのかなぁ?
(ベルばらのマリー・アントワネットも出てきたりするし)
 
<作品紹介>
 ドイツの白鳥城、ノイシュバンシュタイン城で知られるバイエルン国王ルートヴィヒII世。その美貌と謎に満ちた生涯ゆえに伝説となった悲劇の王。芸術とひたすらに美しいものだけを愛し続けた彼が、生涯求め続けたのは、自らの生み出した美しい幻だったという幻想のラブロマンスを軸に、宝塚ならではのロマンティシズムに溢れる舞台として描く。植田景子、宝塚大劇場公演デビュー作。
 
タモさんがカッコいい役ではないんですよ。
苦悩に満ちた繊細なルードヴィヒを丁寧に演じられていたのですが、タモさんは陽性タイプなので、
いまいちはまりきれてないというか。
笑顔が素敵な役者さんなのに、ずっと眉をひそめてるんですもの…。
陰を見せて映える役者さんもいるけれど、タモさんはそういうタイプじゃないんじゃないかなーと。
(新公は彩吹さんがやったそうですが、そちらの方がハマってる気もする…見てないけど)
というわけで、どうにもタモさんをカッコよく見れずに、終始「情けないなー」という目線で見てしまい、
ちょっと満足度が薄かったです…(^_^;)
(トップさんが悪でも情けなくても、カッコよく見える作品が好きなので…苦笑)
 
タモさん、ルートヴィヒという人物を本当に丁寧に真摯に演じてると思いました。
高潔で、繊細で崇高な魂の王。
トップという立場ながら、弱き立場がよく出ていて、頼りなさげな雰囲気がよく出てました。
(ただ髪型がちょっと変??)
ただ脚本のせいもあると思いますが、魅力には少々欠けるんですよねー。
人を惹きつけてやまない、みたいに言われてましたが、そういう部分の説得力は乏しかったかなぁ。
でも、常に絶望を瞳に宿す、不運の王を儚げにきちんと演じられていました。
 
みどりちゃん(大鳥れい)…好きなのにぃ(T_T)
実力派のみどりちゃんに、なんて勿体ない役を当てるんだろう…。
「幻」役って…。
いてもいなくても話の筋には影響なさそうな、中途半端な役です。
一応エリザベートのトートみたいな位置づけだと思うけど、それにしては印象が薄い。
ルードヴィヒがそんなに「幻」だけに囚われてるようには描かれてませんもんね…。
色んなきれいな衣装で出てて来るので、その変わりぶりをわずかに楽しんでました(^_^;)
 
チャーリー(匠ひびき)は精神科医グッデン博士役。
演技上手ではないと思ってるんですけど(失礼><)、
黒一色の衣装に包まれた謎めいたこの役はチャーリーの雰囲気に良く合ってて、お似合いだったと思います。
あのぞくっとする表情がいいですねぇ。
さながら、トートの雰囲気のルキーニ役といったところでしょうか??
もったいぶった雰囲気を醸し出していながら、いまいち最後まで役割がはっきりしなかったので、
もっと面白く使えばよかったのにと思いました。
 
ワグナーの扱いが良くわからなかったです。(私がちゃんと読みとれてないからかなぁ)
この作品の中で、いい人扱いなのか、悪い人扱いなのかもっとはっきりさせてくれたら、
ルートヴィヒがあんなにふわふわした印象にならなかったろうに、と思ってしまいました><。
 
直ちゃん(伊織直加)、かっこよかったですねー。
頼りない王を補佐する武官をびしっと演じられていました。
その頼りがいのある凛々しい様に、ほれぼれしました。
 
ルートヴィヒの理解者・エリザベート役に渚あきちゃん。
華やかさにちょっと欠ける気がするので、エリザベートという役がぴんとこなかったのですが(^_^;)、
演技は良かったと思いました。
ルートヴィヒに同情しつつも、自分の道をきちんと持ってる様が良く出ていました。
エリザベート』が大好きなので、背景が良く分かる人物ということで、
台詞一つ一つに色々な想像を膨らませて楽しみました。
 
ルートヴィヒの婚約者・ゾフィー役の彩乃かなみちゃん、よかったです~。
やはり演技派だなぁ。歌も素晴らしいし。
出番はわずかですけど、印象深かったです。
この場面では、ルートヴィヒより、ゾフィーに共感してしまいましたよ…(^_^;)
 
ルートヴィヒの弟オットー役のアサコさん(瀬奈じゅん)、素晴らしかったです~。
こちらも出番は一場面でしたけど、強烈な印象を残しました。
狂気の兆候をもつという弟。
宝塚で気が触れる役というのはよくありますが、
ヅカの狂気という演技はこうやるんだーと思うほど、私の理想のような演技でした。
宝塚なら、狂気の役でも基本カッコよく素敵であってほしいと思うんですよー!(特に路線なら!)
ちゃんと狂ってる、でも共感できる美しい狂気。さすが見せることに長けているアサコさんだなぁと思いました。
 
矢吹翔さんの確かな演技も素敵でした。(落ち着いた声の役者さんが好きなんです(^^))
 
雰囲気は楽しめる作品でしたが、筋が感情移入しにくく、あまりハマりこんでは見れなかったです。
脚本が少々独りよがりすぎたかなぁ?
題材があまりヅカ向きではなかったのでは?と思いました。