駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『嵐が丘』(上)を読みました。

昔、何度かトライして挫折した「嵐が丘」。
翻訳物が苦手な私のつよーい味方、「光文社古典新訳文庫シリーズ」で刊行されてるのを見て、
はりきって借りてきました~。
“文学少女”シリーズでも題材になってて、なんだかすごそうな話だと気になってたんです。
 
読み始めたら、昔読んだ訳よりはなんとか読めそう。
でも!
やっぱりこんがらがる~難しい~。
だって最初に出てる家系図から曲者なんだもの。
リントン家とアーンショウ家がメインの割とシンプルな家系図なのだけど、
キャサリンヒースクリフと名のつく人物が二人ずついる~。
読み始めて、出てくるこの方々はこの図の何代目の誰なんだろうと、
一生懸命照らし合わせながら読んでしまったのが、悪かったです…。
すぐに明確には示してくれないんですね。
それは後ほど・・ってことだったんですが、そうとは知らない私は一生懸命推理して、
こんがらがって、全然進まず苦労しました…。
 
これはですね、最初の場面は誰が誰だとかあまり深く考えず、
4章からの、女中が語り出す場面まで一気に読むのがいいかと思います。
メインは女中の昔語りです。
ここで物語の主役である、キャサリンヒースクリフをメインとした物語が始まるのです。
 
この二人の関係は、本当に壮絶!!
愛が度を超えて、独占欲につながり、やがては憎しみに変わるのだということを、
まざまざと思い知らされます。
どの人物も好き勝手言い放つ自己中な人ばかりなのに、
なんだか強い存在感があって、ムカムカしながらも妙に引きつけられます。
特にキャサリンは、過激なわがままお嬢様なのに、生命力にあふれてるさまが非常に魅力的です。
ネリー(女中)が振り回されながらも、見捨てられなかったのがわかるなーって感じです。
逆にヒースクリフは、なんとも得体が知れなくて怖いです。
下巻ではもっと正体がわかるのかなぁ?
 
とにかく負の感情が渦巻いた、抜け出せられない愛憎劇。
この復讐劇がどんな展開を見せるのか、怖いもの見たさで非常に気になります。
早く下巻を借りてこなければ~。