駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

雪組 『浅茅が宿─秋成幻想─』 轟悠

BSヅカ視聴日記。
 
イシちゃん(轟悠)トップの和物お芝居です。
 
なかなか良作でした。
出てくる人出てくる人実力派な方ばかりで、こういう方たちで作り上げられる和物は本当に素晴らしく、
贅沢気分で見させていただきました。
和物の所作が美しいとほんと素敵ですよね…。
イシちゃんが動くたびに、ほうっとため息ものでした。
芝居をしても、踊っても、本当に美しくて艶があります~。素敵だなぁ。
 
<内容紹介>
 上田秋成の「雨月物語」より“浅茅が宿”をメインに、“雨月物語”“邪性の淫” などから構成した作品。許婚を故郷に残し、夢を胸に都に上った若者を通して、男の抱いた夢と野望と愛、そして女の夢と愛、人間の美しさと愚かさ、戦いの空しさなど人間の果てしない夢とこの世の無情を、日本の四季の絵巻として、また愛の舞踊詩として描く。
 
お話としては、大きな起伏はなく、小粒な感じですが、要所要所見せ場が押さえられていて、
なかなか見応えのある舞台だったと思います。
和物ですが、いい感じで現代テイストも加えられていて、退屈になりがちな純和物ではなく、
しかし和物の良さはきちんと楽しめる、良い作品だと思います。(ちゃんとチョンパで始まるし^^)
音楽も幻想的な雰囲気で、素敵でした~。
 
イシちゃん、和物は本当にお似合いです。
何しても様になっていて、安心してみていられます。
ただそれだけ実力のある人なので、役柄が勿体なかったなぁと思うんですよねぇ。
イシちゃん演じる勝四郎は、自分で物語を動かすような役じゃないんですよね。
夢を追いかけてふわふわ都に行って、そこで化け物にたぶらかされて、
正気に戻って里に帰れば恋人に死なれていたという役。
一本芯が通ったような強さを持ったイシちゃんには、ちょっと不似合いだったかなぁ。
見終えてどこか物足りなさを感じてしまったのは、イシちゃんの役不足感だったと思います。ちょっと残念…。
 
グンちゃん(月影瞳)二役です。
勝四郎を待つ、健気な幼馴染・宮木と、都で勝四郎を妖しく惑わすお姫様・眞女児(実は蛇の化身)。
どちらも素敵でした~。イシちゃんとグンちゃんのコンビが大好きなので、
純粋で微笑ましい幼馴染同士と、妖しいグンちゃんにたぶらかされるイシちゃん、
というツーパターンの絡みが見れて大満足(^^)
グンちゃん、和物所作はぎこちないとこあるんですが、見せ方が巧い人なので、
健気さも妖しさもそれぞれ雰囲気がきちんと出ていて良かったです(^^)
和物のお化粧が似合っていて、何気ない仕草がかわいくて、見惚れてました。
 
タータン(香寿たつき)、爽やか青年役。よどみない台詞回しで、こういう役はお手の物。
お似合いだったけど、クセのない役だったのでちょっと印象が弱いです。
コウちゃんの役と逆でも面白かったかなぁ。
 
コウちゃん(汐風幸)、都の少将・時貞役。歌も舞いも殺陣も素敵でした~。うっとり。
トウコちゃん(安蘭けい)、素敵なお歌が聞けて満足(^^)和物のトウコちゃん、凛としていて素敵だなぁ。
 
出番は多くないのですが、かしちゃん(貴城けい)が素敵でした~。
眞女児の小姓のりん弥という役なんですが、物の怪の妖しさが滲み出る眞女児の横で、
別の妖しさを醸し出してました。
なんなんですか、あの妖しさは!
もうがっつり目を奪われていました!
 
チャルさん(箙かおる)は、さすがにお素敵です。物語の芯ですね。
 
まひるちゃん(紺野まひる)がちょこちょこ目立ってて可愛かったです。
華があるので、目を惹きますねぇ。
 
ストーリーを楽しむというより、宝塚の和物を楽しむ作品でした。
実力ある雪組さんで演じられるこの作品は、見応えがあってとてもよかったです(^^)