駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

映画版「カラマーゾフの兄弟」を見ました。

BSプレミアムで「カラマーゾフの兄弟」をやっていました。
何度も映画化されているみたいですが、私が見たのは、1969年のソ連版です。
さすが大作だけあって、三夜連続で三部構成での放送でした。
しかし232分という上映時間でもってしても、こんなに省略され、はしょられるのねーと、
原作の途方もなさを改めて感じました。
原作はとにかく登場人物が多く、話があちこちに飛びながら語られるのですが、
映画版では大筋「父殺し」について、カラマーゾフの兄弟たちを主軸としたエピソードだけ抜き出されていて、
とてもわかりやすくなってました。(リーザなんて出てきませんからね)
 
とはいっても、本を読んでない人には話のあらすじはわかっても、原作のすごさは通じにくいと思いましたし、
本を読んだ人には、大事な部分があまりに簡潔に述べられていて、
原作の良さが損なわれてるように感じるのではないかなーなんて思いました。
本で長々と語られるセリフが一言で済まされたりして、
「ああ、結局彼はこう言いたかったのか」と理解しやすい半面、ちょっと寂しさを感じたり…(^_^;)
本で、「だから結局何が言いたいのよ~」と突っ込みたくなる面倒な言い回しに結構ハマっていたので、
要点だけ抜き出されると拍子抜けな気もしました。
原作にとても忠実に作ってるのはわかるのですけどね。
何せ超大作だから、手に負えない感じですよ…(^_^;)
 
だからってこの映画を否定してるわけじゃなくて、たくさん感動もしました。
やっぱ役者さんが演じると、登場人物にさらに生気が加わって魅力的に見えるし、
説得力も増すなーと思います。
とにかくややこしい性格の人だらけの話なんですが、
言ってる間に180度主張が変わるセリフでも、役者さんの演技でその心変わりがよくわかる。
原作では最後でミーチャに強い愛情を見せるグルーシェニカですが、
それまでに彼女の気まぐれっぷりに散々翻弄された私としては、
その愛の言葉が「嘘なの?本気なの?」と疑いながら読んだものですが、
映像で見ると、「ああ本気なんだ」と素直に物語に入れました。
本で、グルーシェニカ以上に言動に混乱させられたカーチャも、
映像で見ると、難しい女心も「なるほどなー」となんとなく理解できました。
憎めないミーチャも、冷たいイワンも、愛すべきアリョーシャも、
みんなイメージ通りで、素敵でした(^^)
 
だから、原作を読むときの補助としてはこの映画はぴったりだと思います。
カラマーゾフは、多分何度も読んでしまう作品だと思うのですが、
わけわからんまま読んだ私としては、映画見てすごく整理されて、
再読する際にはとても助けられるだろうなーと思いました。
(再読がいつになるかはわかりませんけどね~(^^ゞ)
 
だから本と合わせておススメしたい映画と言えるかな?
宝塚版の「カラマーゾフの兄弟」もよい出来なので、
カラマーゾフの兄弟」をかじってみたいという方にはそちらもおススメしますよ(^^)
(なかなか大胆な演出・脚本で、原作に忠実とは言い難いんですけど、その分とても見やすいと思います)
 
余談…グルーシェニカが登場してすぐに「由美かおる?」と旦那が突っ込んだので、
それ以来由美かおるにしか見えなかった私でした…(^_^;)