駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

宙組 『ヴァレンチノ』 大空祐飛

ヅカ視聴日記。(スカステ録画・東特千秋楽)

ゆひさん(大空祐飛)主演作品。

英伝を見に行く前の日に、予習を兼ねて見ました…って予習になるのか?(笑)
小池作品らしいなぁ。破滅的な主人公ってのが好きなんでしょうねぇ(^_^;)

ゆひさん演じるルディー、最初の場面は月組時代を彷彿とさせるかわいさ。
でもいっぱいいっぱいな当時と違って、可愛さを意識的に演じてるのも、
またトップさんらしい余裕があっていいです。
全然雰囲気の違う役ですけど、これ見て銀ちゃんを思い出しました。
スクリーンで演じるヴァレンチノと、少年時代の無邪気さを残したプライベートのルディー。
二つ全く違う顔を見せるけど、どちらも彼自身なのがよくわかる。
芯に純粋さという一貫性があるから、ぶれてないんですよね。
そういういろんな顔を見せながらも立派に一人の人物として立ってるのが、
銀ちゃんとよく似てる気がしました。
映画スターなので、色んな衣装が見れるのがまたいいですね。
どのコスプレも良くお似合い(^^)

ジューン役のすみかちゃん野々すみ花)、童顔なのに大人っぽい女性役が多いですよね。
今回もルディーの年上役になるのかな。
ちゃんと雰囲気で大人っぽく演じてるからすごい。大人の女性の余裕が出せてるもの。
でも無邪気な闖入者に、一瞬で恋してしまう純粋さもある。
ルディーと出会って、恋に落ちちゃう瞬間が手に取るように分かる演技が素敵です(^^)
大人っぽくても、可愛さも存分にあるんだものなぁ。
歌うたびに、その時の思いがものすごくこもった「ラテン・ラヴァー」がよかったです。

ジョージ役のみーくん(春風弥里)もさすが演技達者です。
最初の電話の場面だけで、ジューンとの関係がまざまざと分かる演技がすごい。(一人芝居なのに)
ルディーのよき理解者というか、ある意味、心の支えですよねー。
ひたすらいい人で、その気の良さがみーくんによく合っててよかったです。
ジューンに惚れてる立場だから、いつルディーを裏切ってもおかしくなかったのに。
ルディーなんか、ジョージから裏切られることなんて想像もつかないんだろうなぁ。

マフィアのボス役のともちん(悠未ひろ)。
いつものごとく悪役だけど、相変わらずお茶目さが残るのがともちんらしい(^^)
しかし二幕の最後、ルディーと踊るタンゴの場面は息をのむ緊迫感。
男の色香を漂わせて、それが狂気にも見えてとても素敵でした。
このダンスシーンは、全体の雰囲気も含めてすごく好きな場面です。

ナターシャ役のカイくん(七海ひろき)。
長身もハスキーな声も、キャラになじんでてなんら違和感がないのがすごい。
ただちょっと演技が一本調子なところがあって、女性らしい可愛げが見えにくかったのが残念。
クールで強がってるからこそ、そこが崩れるときの脆さで女性らしさがもっと出たらよかったなぁ。
まあ、男役さんにそこまで要求するのは酷だけど…(^_^;)
でも時々、肉食の気が見えるのが、ナターシャの奥の顔を見るようでよかったです(^^)

個性的大女優ナジモヴァ役のせーこさん(純矢ちとせ)。
強烈な演技で、色々振り切っててとてもいいです。
正反対のクールなナターシャとの相性がよくて、見てて楽しかったです。
ナターシャじゃなくて、ほんとはこの強烈な役を男役さんがやってもいいと思うんですが、
娘役さんなのに、男役さんであるカイくんのナターシャを相手にここまで演じちゃう、
せーこさんの男前ぶりに惚れてしまいます。(さすが転向した娘役さん、というべきか)

チョイ役だけど、鳳樹いちくんが楽しい演技をしていて印象的でした。
(いろんなとこにも出てて、ちょこちょこ画面に映るたびにチェックしてました)
瀬音リサちゃんの歌声も心地よかったし、彩花まりちゃんの一人芝居もなかなか面白くてよかったです。
この三人はこれ見てチェックしてて、銀英伝の方でもやっぱりいいなーと再確認したのでした。

役がそれぞれ良くハマってて、破滅的な物語ですが、
ほどよくコミカルさもあって見やすい作品でした。
こんな悲劇の話でも、最後ハッピーエンドに終わってくれる宝塚的ラストに救われました。
フィナーレもめっちゃカッコよかったです!(ピアソラ大好き><)
再演ですけど、ゆうひさん、そして宙組さんにぴったりの作品だったなと思いました。
(初演は未見。杜けあきさんもゆうひさんとはまた違った魅力でさぞお似合いだろうから、
そちらもみてみたいなー)