駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

月組 『ブエノスアイレスの風』 紫吹淳

ヅカ視聴日記。(スカステ録画。98年ドラマシティ)
 
りかちゃん(紫吹淳)主演作品。
 
この作品は星組さんの再演の方を先に見ました。
今回ようやく念願の初演を見れました~。
この役のりかちゃんは絶対お似合い!と思っていたので、見れて大満足です。
そして期待通りにハマり役でした(^^)
 
<内容紹介>
アルゼンチンを舞台に、人生の岐路に立ち新たな生き方を模索する男を通して、人と人との心の通い合
い、人生の意味を問いかける意欲作。
 
やっぱあて書きである初演は全てにきちんとハマっていて、さすが完成度が高いです。
矢代鴻さんの哀愁漂う歌から始まるOP。そこに登場するりかちゃん。
もうそこで世界が出来上がっているようです~。
 
ニコラス役のりかちゃん、かっこいー><とにかくひたすらかっこいい!!
立っても喋っても素敵で、そして何より踊ってる姿はたまりません~。
りかちゃんのダンスはすごく端正なんだけど、男役の美学もちゃんとあって、素敵なんです~。
ヤンさんタイプと言いましょうか。
そして正塚作品にはやっぱお似合いです。
ちょっと乾いた感じが、ただのクールじゃなく傷ついた深い哀愁を漂わせていて、
後ろ姿からからも憂いが零れています。

一度終わってしまったという諦念感を滲ませつつ、本来の彼が持つ情熱が時々見え隠れする。
新しい時代が始まったというのに、周りは行き詰った人たちだらけ。
イサベラもリカルドも明日が見えない状態。そこに風穴を開けていくのが、ニコラス。
彼は絶望をしていない。
彼はみんなをひっぱって行くようなタイプじゃないけど、
彼自身がどこか針の穴を覗くように僅かな希望を見ていて、
そんな彼の存在そのものが彼に関わる人たちに風穴を開けていくのです。
一見冷たそうに見えるのに、さりげなくにじみ出る心地いい温かさが、
すごくりかちゃんに合っていてよかったです。
 
イサベラ役の西條三恵ちゃん。
多少お芝居に物足りなさも感じるけど、当時研3くらいなので、
それにしては頑張ってりかちゃんについて行ってた感じですね。
最初ちょっと怯えながらも、段々ニコラスに引き込まれていく感じがよかったです。
雨宿りの場面はほんと名シーン(^^)
ダンスはまだちょっと余裕がない感じですが、りかちゃん相手ですからほんとよく頑張ってました。
ただ最初イサベラ役を夢咲ねねちゃんで見てるせいか、あの美しいプロポーションが頭から離れず、
同じ衣装の三恵ちゃんがどうしても地味に見えてしまって困りました…><ごめんなさい~。

ニコラスのかつての仲間であるリカルド役じゅりちゃん(樹里咲穂)。どんな役も魅力的に演じてくれます。
ニコラスとの再会の場面、妹思いの場面、ラストのニコラスとの場面。
不器用で、考えなしにつっぱしっちゃうけど、彼なりの懸命さが見えるから、
ほおっておけない憎めないキャラになってます。
再会の場面が印象深いので、引くに引けなくなったラストシーンの哀しみがより響きます…。
 
リリアナ役のカノチカちゃん(叶千佳)。かわいいですねー。
リカルドの恋人じゃなくて、妹役ってのがぴったり。
兄やニコラスにとても憧れてて、一生懸命ついていこうとしてるのが健気でかわいい。
道徳的には悪の道なのに、そんな善悪なんかどうでもよくって、
ただ好きな人たちと一緒にいたいってことで一生懸命なのが子どもっぽく、
存在がアンバランスで、魅力的なキャラでした。
 
刑事ビセント役におっちょん(成瀬こうき)。
ちょっと髭のおじ様にしては線が細いけど、包容力のある演技で見た目のギャップをなんとかカバー。
 
ニコラスのかつての恋人・エバ役、美原志帆さん。
ニコラスに未練たっぷりで、二人の間で揺れる女性のずるさが出てました。
 
マルセーロ、タニさん(大和悠河)。なんかイキがってるの可愛いですねー。
下手したらエバにもやられかねん感じですけども(笑)。
母親役の矢代さんに「あれはほんとにワルだから」と言われてるけどそうは見えず、
「ほんとはいい子なんですよ~」って感じのどこか坊っちゃん風(笑)
 
ラスト矢代さんが歌う歌もまた泣けるんだ…。
カッコよく、そして楽しいフィナーレもよかったです。
まさに、りかちゃんのための作品で、リカちゃんのカッコよさをこれでもかと堪能できる作品でした。
好きなタイプの話じゃないんだけど、いい作品だよなぁ…。