駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

月組 『あかねさす紫の花』 瀬奈じゅん

ヅカ視聴日記。
 
あさこさん(瀬奈じゅん)主演作品。全国ツアー版です。
 
<作品解説>
 1976年、2002年花組、1977年、1995年雪組で上演された、万葉前期の立役者である兄弟、中大兄皇子大海人皇子の二人の兄弟と、二人の兄弟から愛を受けた女流歌人額田女王の壮麗な万葉ロマンの名作。今回は、大海人皇子を軸にしたバージョンに、瀬奈じゅん彩乃かなみを中心とする月組が挑む。
 
何度も再演されている演目ですが、私は1995年の雪組版を見ただけなので、
二度目の「あかねさす~」になります。
雪組版に比べると、全体的に若いなーという感じですね。でも好きな時代のお話なので今回も楽しく見ました♪
 
あさこさんの大海人の少年時代のかわいいこと!
その無邪気ぶりは、成長してからの耐え忍ぶ姿をさらに際立たせて切なさが増します…。
立場を考え、深く思考して、耐えるという道を選んだ彼の葛藤は、
抑え込んだお芝居の中でもきちんと込められていて、表情一つ一つに表れています。
その分、最後の発狂の場面の対比がすごいですね。
蒲生野の逢瀬で、二人が心の内で繋がり続けていた確信が、彼を起たせるきっかけとなったのでしょう。
蒲生野の場面も美しくて切なくて、言葉少なくともたっぷり込められた情感が十分に伝わってくる名場面でした。溜めで二人の想いを表す「間」が素晴らしかったです。
 
最初、かなみちゃん(彩乃かなみ)の演じる額田の少女時代は、
花ちゃん(花總まり)に比べるとちょと違和感を感じてしまった…(^_^;)
しかし大人になってからは美しかった~!!特に白雉の賀の場面の登場には、ハッとさせられるほどでした。
憂いのある雰囲気が額田役にハマっていて、二人の間で揺れる女性が、
流されるだけでなく、二人それぞれに比べられない深い愛情を持っていることが窺えました。
 
ゆひさん(大空祐飛)の中大兄はお似合いですね~><揺るがない自信たっぷりな様にもううっとり。
まだ若さは残っていて、貫録に少し足りない部分もあるのですが、
女たらしの色気は発揮されていて、ゆきちゃん(高嶺ふぶき)にも通じるものが…(笑)
(そう言えば『仮面のロマネスク』のヴァルモン伯爵も二人演じたのだったなぁ)
あれだけ好き勝手やってるのに、その強引さがカッコよく見えるってすごいです。
だけどそうじゃなきゃ、額田がただの嫌な女になってしまいますからね。
そういう、額田が惹かれてやまない魅力が存分に出てましたー!
 
白雉の賀の場面は、この三角関係を雰囲気たっぷりに表現されていてとても印象深かったです。
見てて、終始ドキドキしていました。この三人のバランス、本当にいいなぁ。
 
まさおくん(龍真咲)の天比古は、自己陶酔型。
一人酔いしれてて、ちょっと共感しづらかったなぁ…(-_-)
れみちゃん(白華れみ)の寂しい影を背負った小月はいい感じ。
色気にはちょっと欠けるが、不幸が似合う女性…(いいのか悪いのか…(^_^;))
 
嘉月絵理ちゃんの鎌足は非情。強かさがよく出ててよかったです。
ただ鏡女王とのやり取りはちょっと彼女に情が向いてなくて、残念だったなぁ。
わざとそういう役作りにしたんでしょうけど。
中大兄に進言する場面が好きです。二人の腹の内のやりとりも見えるようで。
あーちゃん(花瀬みずか)の鏡女王はイメージ通りでよかったです(^^)ほんと不憫なお方ですよね…。
 
京三紗さんの斉明天皇がすごーくお似合いで素敵でした(^^)
あの二人の母親だけある人間のでかさと、一見そう感じさせない柔らかさが見事に表されていたと思います。
 
ぶち切りのような雪組版のラストシーンが頭にあるので、
今回のは改変バージョンは、どこまで続くのだろうと落ち着かずに見てしまいました…(^_^;)
どっちがいいかは判断しかねるけど、今回のを先に見てたら、
こちらの方を受け入れやすく思えたのかもしれません。
分かりやすさでは今回の方なのかな。雪組版のインパクトもすごかったけど。
 
雪組版に比べると、全国ツアー版と言うこともあり若さが目立って、全体的に未熟に見える部分もありましたが、
主演三人のバランスが素晴らしく、見応えのある舞台になっていたと思います(^^)とてもよかったです♪