駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

源平関連マンガをご紹介。

相変わらず源平関連の本をちまちま集めては、読み進めております(^_^;)
というわけで、今回はマンガをご紹介。
 
平家物語シリーズ 
「月の船、星の林」「きらめく波の飛沫」「らせんは時を越えて」「風は時を奏でる」 佐久間智代
あすかコミックスDX 角川書店
 
平家物語をベースにしたマンガです。
マニアックな上、古過ぎて(1994年から連載)、古本屋でも見つけるのが困難かと思います(^_^;)
でも数年前、大河を機にホーム社から新しく文庫版で出し直したようなので、探せば見つかるかも??
 
昔読んで好きだった作品で、久しぶりに実家で読み返してみました。
絵は少し古めで、ばっちりしっかり少女マンガテイストだけれど、やっぱ面白かったー!
作者さんがこの舞台に愛情持ってらっしゃるのが分かるので、読んでてきゅーんとしてしまいます。
平家物語はホント切ないエピソードが多すぎですよ…(涙)
もちろん少女マンガらしい創作がなされてるわけですけど、
平家物語」というロマンチックな舞台でそれが非常に映えるんですよねー><
ああ、こんなだったら素敵だなーって乙女のツボ(笑)をくすぐられるんですよ。
少女マンガですから、どの方々も当然美形で描かれますしね!(弁慶さえも凛々しく素敵)
それでいて、ふわふわはしてなくて、しっかり芯の通ったお話になってるんです。

しかし残念でならないのは、このシリーズが未完で終わってしまったことです><
(一応短編集なので、一話ずつ完結してるんですけどね)
結構面白そうな伏線敷いてるのに、それが見届けられない…(T_T)
もう今更続きなんて描いてくれませんよね~…でも読みたーいっ(涙)
シリーズは全部で四冊。平家サイドは最初の二冊。あとの二冊は源氏サイドになっております。
 

『月の船、星の林』
「月の船、星の林」
平敦盛平知章平知盛の子)、小次郎(苗字はネタバレになるので伏せます…)のお話。
綺麗な顔して、少々口が悪い敦盛が非常に可愛いんです!
それに絡む知章も、父譲りの(?)知的ぶりで本当に素敵(^^)
でも話は切ないんですよねー(T_T)
 
「花追慕」
平重盛を主役にしたお話。
私は大河の重盛にハマっておりましたので、私の中のイメージがどうしてもそれ寄りになってしまうせいか、
このお話の重盛はあまりイメージではありません。
この話では、ちょっと情けないとこがある重盛なので、
ファンの勝手な言い分で「もうちょっとかっこいいのにー」とつい不満に思ってしまうんですが、
ここで描かれる彼の二面性は、確かにあの「殿下乗合事件」に説得力を持つなーと、
このお話に唸ってしまうのです。でもやっぱこの話にはもうひと捻りほしかった…重盛ファンとして(笑)
 
新月の恋」
平資盛(重盛の子)と右京の恋を描く短いお話。なんといっても資盛がかわいいんですよねー。
「殿下乗合事件」では、「おのれ資盛、面倒を起こしおって」とつい恨みもしましたが、
これ読むとそのかわいさに、ちょっと許せる気がします…(^^ゞ
 
 
『きらめく波の飛沫』
「きらめく波の飛沫」
平知章メインのお話。
で、この作品、創作なんですが、面白い設定で書かれてましてね。
知章になんと義経が絡んでくるという…それが最後の一の谷のエピソードに響いてくるんですよね(涙)
この話に父・知盛が出てくるのですが、お髭のせいでジジくさく見えるのが残念。
彼、享年34歳なんだから、少女マンガらしく髭なしで美しく描いてほしかったー!
 
「遠い昔の夢」
平教経のお話。平家一の猛将・教経さんですが、この作品では美男子!かなりかっこいいっす。
さすが平家の公達!!強くても美しさは忘れない!!
その潔い死に様まで本当にお素敵です…(涙)
 
 
『らせんは時を越えて』
「違えない女」
この本から源氏サイド。
これは、北条政子と四郎義時のお話。源頼朝と政子が出会う話をメインに、この二人の姉弟が描かれます。
頼朝さん…かっこいいけど、どこかラスボス的なオーラが…(^_^;)
 
「らせんは時を越えて」
義経登場。まだ幼き遮那王時代からですね。
そして記憶喪失の弁慶さんは平家方の徳子さんと出会うところからスタート。
(弁慶さんはいろいろ不明な方ですからね。そこら辺はもう自由です・笑)
そして例のごとく五条の大橋で弁慶と出会った義経は奥州へ向かいます…。
 
 
『風は時を奏でる』
「らせんは時を越えて」
前作の続きで、奥州での義経一行が描かれます。静とここで出会います。
 
「記憶の破片」
このお話は駒王…のちの源義仲のお話です。
ちょっとふわっとした感じの駒王が、木曽の山猿な義仲らしくなく、
でもそんな彼だからこの後の激動の流れに翻弄されてしまうのかなぁ、と妙な説得力も感じました。
 
「風は時を奏でる」
再び奥州の義経のお話に戻ります。
かなり捻くれてる義経が、自分は実は女だといって、藤原泰衡を翻弄してます(笑)
 
 
そして、さあこれから頼朝の旗揚げだぞってとこで、終わってんですよーーーー><
あと短編が二本収録されてますが、もうページの穴埋め的な感じで、全然平家物語は関係ない…。
ちらっと出てきた義仲とどう絡むんだ!?ってすごく期待させておいて、続きがないなんて…(T_T)
実は平家びいきの弁慶だとか、ふわっとした義仲とか、ブラックな義経とか、
ちょっと意外性のある魅力的なキャラクターを作り上げておいて、
彼らの大舞台が描かれないなんて…もったいなすぎる…。

ということで、未完なことが本当に惜しまれるのだけど、
平家物語」をベースとした少女マンガとしては素敵な作品だと思います。
興味のある方、ぜひ探してみてください~。