駄文徒然日記

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マンガ『さよならソルシエ』読みました♪

さよならソルシエ』穂積 全2巻 小学館

いせひでこさんの『にいさん』という絵本がとても印象深く、その本の兄弟が忘れられませんでした。
ヴィンセントとテオ。
───天才画家ゴッホとその弟の物語です。

本屋でその兄弟のマンガを見つけ、しかもそれが穂積さんと知り、即買いしてしまいました!
やっぱ、良かったですーーーー><
穂積さんの短編集『式の前日』が、絵もセンスも私好みだったんですよねー。
そして今回のこの本、絵も構図もセリフもどれもツボりました!!やっぱ好みだ!!!


<内容紹介>
画家と画商…ふたりの“ゴッホ”の伝記浪漫。
19世紀末、パリ。のちの天才画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった! 兄弟の絆、確執、そして宿命の伝記!


この『さよならソルシエ』は、かなり大幅に創作されているので、
ゴッホに詳しい人からすると受け付けないかもしれません。
だけど『にいさん』の背景には、この『さよならソルシエ』がぴたりと当てはまるんです。
雰囲気も話も違う作品同士だけど、多分テーマがぴたりと重なってるからなんでしょうね。
それは、実際に残されている、兄ゴッホの死後にテオから母宛てに送られた手紙の言葉。

「にいさんは、ぼくのすべて、ぼくだけのにいさんだったのです!」

もうなんというか、強烈で壮絶で、そしてひたすらに哀しい…。
なんて兄弟だったんだろう。
実際の史実については詳しくないけれど、この二冊はどちらもその兄弟の間柄を、
静かに、だけど底知れぬ深さで描いていて、強烈に引きつけられました。

この本のテオがもう超絶かっこいいっす!!少女マンガ特有の美青年ぶりをこれでもかと(笑)
あの冷たい瞳、甘い言葉、歪んだ精神、見事な切れ者ぶり、歪な愛情…そして抱えた絶望。
どれも強烈に魅力的で素晴らしい。そしてそのテオと見事な対比を見せるフィンセント(ゴッホ)。
実際のゴッホのイメージとはずいぶん違うけど、でもかわいくて魅力的でした(^^)

穂積さんの切り口は、本当に面白い。
次はどんな作品を書いてくれるのか楽しみだな♪