博多座、観劇してきました!
公演が始まる前にチケットを一枚買っていたのですが、それを見に行ったらどうしてももう一度見たくなり、チケットを追加して、もう一回見てきました!!
チケット代が安くないので、二度目の観劇はかなり悩んですが、行ってよかったです(涙)
Wキャストの多い公演ですので、私が見に行った時の配役を書いておきますね。
1回目
トート 井上芳雄
フランツ 田代万里生
ルドルフ 古川雄大
ルキーニ 山崎育三郎
少年ルドルフ 大内天
2回目
トート 城田優
フランツ 田代万里生
ルドルフ 古川雄大
ルキーニ 成河
少年ルドルフ 加藤憲史郎
あれから18年たちますが、少女シシィはあの頃と変わらずホント可愛かったです。観劇していた若い女性が、「子どもが演じていると思った」と言ってたくらいです。
宝塚の男役さんが演じる場合もありますが、やっぱり娘役さんが演じる可憐さが私は好きです。
例えば「風と共に去りぬ」のスカーレットは、一人で凛々しく立つ女性なので、男役さんが演じる方が好きなんです。エリザも強い女性ですから、一人で凛々しく立つ演技もありだと思いますが、エリザはトートやフランツとの葛藤の中で、そこに引きずられそうになる華奢さを持ちつつ、でもそれを振り払って一人で立とうとする可憐な凛々しさこそ、私の理想なんですよね。(それも初演のイメージが強いからかな?)
花ちゃんのエリザは、奔放さも気丈さも、脆さも弱さも、どの姿も魅力的で、共感しづらい行動を取っても、それがエリザだ、と納得できるものでした。花ちゃんの説得力のある演技はさすがです!
トート閣下は二人とも、私にとっては初観劇でしたので、インパクトが大きかったですね。
どちらのトートも素晴らしくて、甲乙つけがたい魅力でした。
井上トートは、とにかく歌がすごくて、聴いたことない声で自在に歌うので、もうただただ圧倒されておりました。彼の生歌が聞けたのは本当に至福でした。
そんな、人とは思えぬ不思議な声をはじめ、とにかく死神感すごかったです。
なんか底知れぬ不穏なオーラがあって、人ならざる姿はまさに異界の人でした。
何考えてるのか見えてこないのも、死神っぽさを増していましたね。そういう意味では初演の一路さんにも近いトートだったかも。
そしてそのぞくぞくするようなドSっぷりがたまらなかったです><(ムチ姿は本当にお似合いでした)
私が井上君を見るのは、なんと東宝初演エリザのルドルフ以来なんです。
ルドルフにふさわしく、ノーブルなイメージだった彼のトートなんて、想像つかないなぁと思っていたのですが、まあ、びっくりするくらい立派な帝王っぷりで驚きました。
城田トートは、ビジュアルが最強に素晴らしい。あれこそ正真正銘のトートだ、と思えるほどに違和感のないお姿。最初に「トート役、城田優」と聞いただけでお似合いだなと思っていましたが、実際に見るとあの長身が舞台に映えて、本当に悶絶ものでした…。お芝居も井上君とはまた違っていて、「死神がお姫様に恋をする」という少女マンガをみてるようなときめきがありました。エリザを追いかける俺様トートが本当にきゅんとしてしまうくらいハマっていて、歌も感情豊かでわかりやすいトートだったと思います。
井上トートはまさに「死の輪舞」で、城田トートは「愛の輪舞」を見せてくれたと思います。どちらも違うトートで、それがよかった。そして、どちらも本当に通って何度も見たくなるほど素敵なトートでした><
フランツもよかったです~。
フランツ役者は年齢を重ねていく演技が大変だと思うのですが、今回も途中で役者変わった?と思うくらいに立派に演じ分けていました。
そして田代さん演じるフランツは、マザコンフランツや頼りないフランツなどいろんなフランツがある中で、私の好きな優しいフランツでした(涙)
そんな理性的なフランツだからこそ、最後、<悪夢>の場面でトートにフルボッコにされて、取り乱しまくってる姿がより際立って、気の毒でたまりませんでした…><
ルキーニも、二人の演技が全然違うので面白かったです。
最初、山崎さんのを見たのですが、何より歌が素晴らしいなぁと聞き惚れておりました。華があって、出てくると注目を引くし、何やらかすかわからないトリッキーさもありました。
ただ、狂言回し役とはいえ、物語の登場人物の一人でもあり、最後にはその舞台に引きずり込まれていくはずなのですが、山崎ルキーニは最後まで物語の外で、話を楽しんでいた感じがあり、違和感がありました。ルキーニというよりは、物語をかき回して喜んでる妖精パックっぽいというか。そう言う意味で物足りなさも感じました。
ルキーニという役としては、成河さんの方がルキーニだったと思います。舞台で一人、存在が異色なんですよねー。なんか汚いんですよ(いい意味ですよ!)。姿勢も悪いし、扮装して舞台に絡んでも、別物が紛れ込んでる感がぬぐえない。山崎さんのきれいなルキーニを先に見てる方としては、その汚さが違和感だったんですが、狂気を抱えてる様は確かに伝わってきて、「きっとこれこそがルキーニなんだ」と思えました。最後、暗殺の場面で狂言回しから物語へ入っていくその姿にぞくぞくしました。
「宮廷でただ一人の男」と言われるゾフィーは、香寿さんの方がハマっていたように思います。ちゃんと皇后らしくて、どしんと存在感がありました。歌も素晴らしくて、香寿さんの生歌を聴けて感激でした。涼風さんのゾフィーは、怖い(笑)。ちょっとヒステリー気味で、皇后らしさは香寿さんに比べると劣るかな、と。でもですね、その、国を思う以上に(笑)フランツを想う、危うげな必死さが伝わってきたせいか、最後の<ゾフィーの死>で泣けたのは、涼風さんの方でした~(涙)
ルドルフは、両日、古川君。京本君も見たかったけど、博多座では前半しか出演されなかったので、見損ねました…。
ルドルフで重要なのは「儚さと美しさだ」と思ってる私にとって、古川くんはまごうことなきルドルフでした!演技が少し弱くも感じたのですが、ルドルフなのでそれもよし。なにより、城田トートとの「闇が広がる」が素晴らしかったです。声のハーモニーも合っていたし、身長のバランスもよかった。ゾクゾクくる闇広が見れて幸せでした~><
少年ルドルフは、大内君が素晴らしかった。最初の亡霊の場面から目をひかれました。あの天使のような歌声は何!?と。見た目も麗しくて、ちゃんと古川ルドルフへ繋がっていく感じもよかった。(ここのつながりは私の中では重要。初演エリザはこれが数少ない難点だった)
2012年のエリザでは、加藤清史郎君の少年ルドルフが印象的だったのですが、今回は弟、憲史郎君。お兄ちゃんによく似てかわいかったです(^^)
はあ、まだまだ書き足りないけど、長くなったので、この辺にしておきます…(^_^;)
正直、何度見ても話が分からんのがこの「エリザベート」。
でもその分、見るたびにいろんな解釈ができるので、何度見ても飽きません。
DVD欲しいけど、こうやって生で見ちゃったら、映像じゃ物足りないだろうなぁ。