駄文徒然日記

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月組 『螺旋のオルフェ』 真琴つばさ

BSヅカ視聴日記。
 
マミちゃん(真琴つばさ)主演のお芝居です。
ギリシャ神話に名高いオルフェウスの伝説の舞台を、1950年代・冷戦下のパリに移したミュージカル。
ロマンティックでミステリアスな物語。檀れいトップお披露目、荻田浩一大劇場デビュー作品。
 
ショー以外のオギー作品を見るのは、初めてでした。
宝塚のお芝居というのは、分かりやすさが特徴だと思います。
今回は、宝塚じゃないお芝居を見てるような感覚でした。
(雰囲気は正塚先生にも似てるけど、ハリーのはまだ宝塚の枠内だと思います)
抽象的な表現が多いので、一度見ただけでは理解しづらいかもしれません。
私も二度見てみましたが、理解できたとは言い難いです~(涙)
あと、照明の使い方がとても素敵だったと思います。
 
マミちゃん、コミカルで明るい役も好きですが、こういうひたすら暗いシリアスなのもカッコいいですねぇ。
「過去を捨てたんじゃない、未来を捨てたんだ」という台詞がとても好きでした。
まさに螺旋の途中に留まってしまったイブ(真琴)の立場を表していた台詞ですね。
「好きだ」と叫ばなくても、こんなに思いの一途さが伝わるのだな、と思いました。
感情を表さず、淡々と喋るだけのイブなのに、アデル(檀)への忘れられない思いが常にあって、
表情に出さないからこそ、その出せない姿が何かを必死に堪えているようで痛々しかったです。
難しい役だったと思います。マミちゃんこういう演技もできるんだなー。
 
りかちゃん(紫吹淳)は、何とも分かりにくい立ち位置ですねえ。
あの妖しい雰囲気はよく似合ってましたが(笑)。
鬘がちょっと似合ってない気がしたのが残念でした…。
マミちゃんと二人でどっぷり見せる場面が一つあれば、もっと印象強くなった気がするのですが、
二番手にしてはちょっと役柄が中途半端に見えました。
 
檀ちゃん(檀れい)、お芝居も動きもぎこちないんですが、なんか好きなんですよね(苦笑)
リアルタイムで組ファンだったりしたら、もうちょっと厳しい目線で見たかもしれませんが…。
技術は決して高くないのに、真ん中に立てる華はすごいものがあるな、と思います。
あと今回は二役でしたが、その演じ分けはきちんとできていたと思います。
 
ガイチさん(初風緑)の歌、大好きです。
この時期の月さんは本当に歌が厳しいので(笑)、ガイチさんが出てくるとほっとする安心感がありますね。
ガイチさんの声も好きなので、台詞をしゃべる時のあの流暢さに聞き入ってしまいます。
 
るんぱさん(真山葉瑠)、懐かしいなぁ。やはりいい味を出していて、素敵でした。
マヤさん(未沙のえる)のように、宝塚の中では異色な演技をしますよね。
 
マミちゃんとは違った乾いたクールさを出していたケロさん(汐美真帆)もとても印象的でした。
この人も役ごとに演技が違って面白いなー。
 
ひたすら暗いお芝居。嫌いじゃないけど、観客受けは悪そうですね…(苦笑)
宝塚はやっぱり分かりやすくて、トップさんがキラキラしているようなお芝居が似合うと思います。