駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

宙組 『激情』 姿月あさと

ヅカBS視聴日記。

カルメンとホセの破滅的な愛の物語。
私はドロドロ系はあまり好きではないのですが、
これはどっぷりハマりましたねー。
大人の恋!
歌う、踊る、芝居がっつりで、とても見ごたえのある舞台だったと思います。
(音楽がバラエティに富んでていいなーと思ったら、
恒様でしたか…この作品で賞取ったみたいですねv)

この舞台は花ちゃん(花總まり)にかかってたんじゃないかな。
自由奔放なカルメンをいかに魅力的に演じるかが、この舞台のキーだと思います。
下手したら、カルメンはただの悪女になって、観客の反感を買いかねません。
しかし花ちゃん、大人な女性を見事に演じて素晴らしかったです。
地がカルメンのイメージがないのに、演技でそれを表現しきってたと思います。
(歌が芝居ほど感情を乗せられてなくて勿体なかったですが)
花ちゃんなりのカルメンになってて、
本来のカルメンとはちょっと違うイメージになってましたが、とても惹かれました。

それに対するずんちゃん(姿月あさと)が、ちょっと力不足だった気も…。
台詞に感情が乗らない時があって、ちょっと芝居が物足りなく感じました。
(この頃でも滑舌悪いんですね…苦笑。エクスカリバーでは気づかなかったな)
でも、不器用で真っすぐだけど、
ヅカらしくない情けない男を魅力的に演じていました。
ずんちゃんの情けない役も、雨にぬれた子犬みたいでかわいかったです。
(っていうとおこられちゃいますかね?)
歌も迫力あって、生で聴きたかったなーと強く思いました。

この二人のビジュアルのバランスがぴったりで、
二人のシーンは惚れぼれしました。
そして、ホセとカルメンのシーンは本当に面白かったです。
女の言い分、男の言い分がよく表れていました。
それぞれ抱えてる思いは常にすれ違ってるんですよね。
初めから悲劇の暗示…。
激しいアプローチに戸惑うホセ、
愛を弄ぶかのように余裕のカルメン
しかし結ばれると関係が変わり、
カルメンを所有したと思う余裕のホセと、
態度一変で愛にすがるカルメン
また、二人見つめ合っているのに、
今が楽しいカルメンは大きく笑い、
全てなげうつ覚悟のホセが必死にすがる表情をする。
そのすれ違う様が、哀しい愛を見事に表現していたと思います。

二番手たかこさん(和央ようか)は、二役。
白っぽい役メリメと黒い役ガルシア。
この切り替えが素晴らしかったですね~。
最初、メリメが印象の薄い役で、品のよい姿は目を惹いたけど、
あまり存在意義がなさそうで、二番手としてどうかな、と思っていたら、
途中で、カルメンの旦那ガルシアとして濃い~役。
びっくりするくらい荒々しい演技。
「おお~」と見入っていたら、あっさり死んじゃうんですよ…(涙)
勿体ない…。
(そのあとすぐ何事もなかったようにメリメとして再登場して
それもびっくりしました。切り替え早っ!)
なんか勿体ない気もしまたが、
一粒で二度楽しめるから、これもあり?
ずんちゃんと二人で歌うときは、
歌のバランスが悪くて聴きづらかったです…。

ホセの婚約者のミカエラ(陵あきの)、
カルメンに惹かれるマタドールのエスカミリオ(湖月わたる)の、
二人の引きが弱くて、残念でした。
カエラは独りよがりな感じで、
エスカミリオも、自己満足な感じ…、
それぞれ相手への想いがいまいち伝わってきませんでした…。

とはいっても、下級生含め、組全体で盛り上がってお芝居していて、
全体的な満足度はすごく高かったです。

この舞台が、星組で再演されるのですが、
せっかくダンスの星組で見れるかと思ったら、
ダンサーがごそっと抜けちゃうんですよね…。
太王四神記のメンバーで見たかったなー。
ちえちゃん(柚希礼音)のホセは楽しみ。
でもねねちゃん(夢咲ねね)はちょっと負担が大きい気も…。
予想を裏切ってくれることを願ってます~。