駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『植物図鑑』 有川浩

私が感じる「少女マンガっぽい」というのは、
女の子に都合よく、男の子が動いてくれるのを指すようです…。
(そうでない少女マンガもたくさんありますけどね)
そしてこの作品も、まさに「少女マンガ」。
あとがきによれば、「女の子の前にイケメンが落ちてくる冒険もの」が、
有川さんの手にかかると、
こういう雑草を食べて回るファンタジー?なお話になるようです(笑)

これを読んで思ったのは、誰に向けて書いた本なんだろう、ということ。
女性にとって、まさに「いたらいいな~的男の子」イツキ。
同居に至る流れは、「ありなの?」と突っ込みたかったですけど、
これは女の子のためのファンタジーなのだ、と思って、とりあえず、納得。
10代の女の子くらいだと、こういうの好きよねーと気持ちを若返らせて読み進めますと、
中盤結ばれる場面での、例の買い物のシーン。
なんか「えー?」って思っちゃいました。
イツキの誠実さや男らしさを描きたかったのかもしれませんが、
そんな誠実な男は見知らぬ女性の家に上がりこんできたりしません!!
前半の、我慢して同居人に手を出さないという、
少女マンガ風(一昔前の)さわやか青年にしたのなら、
そんな現実的な描写は不似合いじゃないのかなー?
「時には強引に」という女の子の願望に応えた結果だとは思いますけど。
私みたいな大人には若々しすぎる話だし、
かと言って学校の図書館に置きたい本でもないような気が…。
さやかと同年代向けの癒し系ファンタジー、でしょうか?
(二十代の社会人は、リアルにこういう出会いは求めないでしょう…)
ターゲットがいまいち掴めません~。
そんなイツキの描写に、いちいち首をかしげてしまいました…。
最後のカーテンコール「午後三時」のイツキも
メソメソしてて情けなさが増すので、ない方がよかったなーと思いました。
「ゴゴサンジ」の話は、かわいい話で好きでした。

草花探しの話は、とても楽しく読みました。
写真も付いてるのが、いちいち確認できてありがたかったです。
私は山菜は詳しくないですが、唯一ワラビ採りだけはよく行ってて、
この本のワラビのところは、「そうそう!」とすごく共感しながら読んでました。
あとがきを見ると、やはりご本人が趣味なんですね。
すごく実体験に基づいた感じですよね。
(本人の好みもすごく反映されてるみたい…笑)

とにかく「女の子のための」本、だと思います。
男性は受け付けないんじゃないかな~?
(でも最近少女マンガ好きな男性も多いと言うから、
そうでもないですか?)
これで素直にときめかなかった私は、
もう枯れ気味なのかな…と、ちょっと凹んだり…(苦笑)
でも「君に届け」を見てドキドキしたりしてるんですよ~。

ちょっと辛いけど、星は三つです。