駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『テンペスト 上 若夏の巻』 池上永一

ようやく読み終わりました、テンペスト
(と言ってもまだ半分ですけど)
派手な新聞広告で気になったのがきっかけで、
だけど書評などをみると、期待ほどでもないようで。
それを分かっていつつ、トライしてみたのですが…。

この本を好きな方、ごめんなさい。
私には合いませんでした…。

設定とか、展開とか、悪くないと思うんです。
ある意味、昼ドラばりの王道で、面白い話だと思うのですが、
それを構成する部分が、いちいち気になりました。

まず、文章が合わない。なんだか引き込まれない。
彼の作品を読むのは初めてなんですが、
なんか統一感がないんですよね。
作品を重厚にしたいのか、軽くしたいのか。
時代ものにカタカナ(現代表現)が入るのは、そんなに気にしないんですが、
今回の使い方は、チープに感じられました。

キャラクターもいまいち。
表紙裏に挿絵があるのですが、それはシリアスな時代ものという感じの
重みのあるイラストなんですが、
本を読んでて、登場人物たちがそういう絵で出てこない。
もっとマンガちっくな軽いタッチの絵柄でしか、想像できなんですよね。
リアルな人間像で迫ってこない。
誰にも共感できないんです…(涙)

テーマはいいと思うんですよね。
琉球を舞台に、清と薩摩の間で巧妙に舵を取る様は面白かったし、
女性が宦官と偽って王宮に上がるのも面白いと思います。
だから、これを原作にドラマ化とすれば
もっと面白くなるかなーなんて…(失礼ですね…汗)
(あの宦官は映像化できませんけど…)

冒頭は『彩雲国物語』(雪乃紗衣)のようであり、
『BASARA』(田村由美)のようでもあるかなと思ったんですが、
あのベタな展開は、日本版チャングムって感じですね。
物語の環境と、展開がよく似てますよね。

とまあ、批判めいたレビューになってしまったんですが、
下巻も読みますよー。
この本で、琉球のことを知れたのは、よかったと思います。