星組 『ロミオとジュリエット』 柚希礼音

博多座公演、観劇日記。

 

話題のロミジュリ。本当に素敵でした～～！
たくさんの歌い上げるナンバーがあって、歌の舞台であると同時に、

目を奪われる素敵な衣装や、セットなどは、視覚で楽しむ舞台でもありました。
正直、歌は不安な方が多く、せっかくの聞かせどころがもったいないなーというとこはありました。
でもこの話は、ロミオとジュリエットの一途な愛の物語と共に、

とがった若者たちのぶつかり合いの話でもあります。

そういう若さと勢いは、今の星組にぴったりとはまっていたように思います。
配役がとても合ってて、よかったなーと思いました。

 

ちえ（柚希礼音）ロミオ。一途な男はホントはまりますよね。
ちえちゃんとねねちゃん（夢咲ねね）は、「激情」の時とのギャップにびっくりしてしまいます。
若者なんですよー、目なんかキラキラしてて。
タンポポ吹いて、様になるトップ男役はそうそういない（笑）
ロレンス神父（英真）に泣きつく背中とか本当に可愛くて。
でもジュリエットと一夜を共にした後は、「男」になってて、ドキッとしました。
歌も本当に素敵でした。何というか、ちえちゃんの歌は広がりがあっていいですね～。

 

ねねジュリエット。
正直、お芝居は「激情」の時の方がよかった気はしました。
でも、ジュリエットって１６歳ですからね。
ジュリエットの無邪気な感じはよく出てて、かわいかったです。
可愛いお衣装もほんと良く似合っていて。
歌が不安定なのが残念でしたけど、バルコニーの場面の歌はすごくよかったなー。
恋に未熟な感じがよく出てて、こっちが照れちゃうくらいかわいかったです。
そこでのロミオとのラブラブっぷりも含めて、お気に入りの場面の一つです。
あと、ロミオとのデュエットが、声量でロミオに負けてて、
きれいなハーモニーになってないのが残念でした。
（あれはちえちゃんが少し落とすべきなのかな？？）
 

テル（凰稀かなめ）ティボルト。
こういうちょっと切れるとアブナイ感じが、テルさんにとてもはまってて素敵でした。
繊細な心情をにじませる演技をしますよね。
一幕での歌の弱さにちょっとどうかなと思ったけど、二幕のテルさんはすっごくよかった！！歌も芝居も。
なのにすぐ死んじゃうんですよ～。もっと見たかった～。
出番が少なくて、ジュリエットへの秘めた想いとか、キャピュレット夫人とのあやしい関係とか、
掘り下げたい要素が色々あるのに消化不良のまま死んじゃった感じ…。
ティボルト外伝とかみたいです（笑）
 

すごく目を惹かれたのが「愛」（礼真琴）と「死」（真風涼帆）ですね。
台詞は一切なく、ライトでくらいしか存在を主張できないのに、あの目の惹きようは何なんでしょう！
二人とも、人ではない者である存在感がよく出てたし、
動きや表情が素晴らしく、非常に印象深かったです。
特に真風君の表情には、目が離せない魅力がありました。
物語を操る、この二人のお芝居がすごく気になるので、
舞台でどこ見ていいかわからなくなってしまう一因です（笑）

 

で、迫力のれみちゃん（白華れみ）。
もうびっくりですよ。何ですか、あの存在感。
お芝居も歌も動きもよかった。
のびのびと、堂々と演じていて、すごく見入ってしまいました。
コミカルな演技とか、間の取り方がすごくうまいですよね。
入り待ちで見たときはとっても可愛い感じの人だったのに、そのギャップにやられそうです（笑）
 
ベニ（紅ゆずる）マーキューシオ。
今時の若者のような、勢いだけでやらかしちゃう感が、すごくよくはまってて良かったなー。
歌が弱いのが残念でしたが、
二幕で、ティボルトと二人、上り詰めるような演技は凄まじくてぞくっとしました。

 

ベンヴォーリオ役のすずみん（涼紫央）、ロミオの親友役ということで、声とか若く作ってて、
思い切った髪の毛のビジュアルも素敵でした。
ロミオたちを一歩下がって見守るという立ち位置が、すずみんに良く合ってたように思います。
ヴェローナ大公役のじゅんな（水輝涼）、歌で聴かせてくれます。
堂々とした存在感も素敵。やっぱり好きです、じゅんなさーん。
どいちゃん（鶴美舞夕）のバトンも、本当に素晴らしかった。
あれって仮面付けたままやってるの？？すごくないですか？？
あと群衆の一人で、特に目立った役ではないのですが、ぺーちゃん（海隼人）も気になりました。
何でもない仕草が男らしくて素敵だなーと。

 

まだまだ書き足りないですが、長くなるのでこの辺で。
熱い熱い舞台でした。終わった後は、放心状態…。
大階段なくて寂しいかな、と思ったけど、シンプルなフィナーレも
客席と舞台の距離が近い感じで、和やかでよかったです。
 
もう一回見に行くので、そのあとにも何か感想が書けたらいいな、と思います・・・