駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『死亡フラグが立ちました!』 七尾与史

年末に読んだ本です。
読書メーターの中で書かれてた「B級」というフレーズに惹かれて借りてみました。
 
<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
“「死神」と呼ばれる殺し屋のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺され
る”。特ダネを追うライター・陣内は、ある組長の死が、実は死神によるものだと聞く。事故
として処理された彼の死を追ううちに、陣内は破天荒な天才投資家・本宮や、組長の仇討ちを
誓うヤクザとともに、死神の正体に迫っていく。一方で、退官間近の窓際警部と新人刑事もま
た、独自に死神を追い始めていた…。
 
う~ん、B級、確かにB級。でも私が求めてたのとはちょっと違ったかな~(^_^;)
もうちょっとくだらなさがはじけてる方が好みかも(笑)
パーツはそれなりに面白いと思います。文章もするする読めて読みやすい。
ただ構成がいただけない。
これ、作りによってはもっと面白くできたんじゃないかなー。
 
最初の組長殺人事件の話は面白かったです。偶然を装ってこんな殺人できるんだ~と、
「B級ならでは」な手口に引き込まれたんですが、伏線となる別エピソードの挟み方があまりうまくなくて、
散漫な印象になってしまいました。(私の物覚えが悪いのがいけないのかな~?)
展開に無理があるのは、まあ作風からしてありだとしても、その書き込みが少し足りない気がしたんですよね。
読んでて色々唐突感が多くて。
巻末にある解説を読むと、この作品は最初、文庫600P越えくらいの大長編だったそうで、
それを半分近くに直したとのこと。だから書きこみ不足感が残っちゃったのかもしれません。
 
本宮さんのハチャメチャぶりとかとても好みだったんですけどね。キャラはみんなマンガチックで楽しめました。
 
ラストはなんとも微妙。エピソードが集束されていく流れで、どう締めてくれるのかと期待したら、
突然、余韻を残して終わる映画風な終わり方。
せめて表紙にもある「凶器のバナナの皮」を、もっと死神とリンクさせてたら
きれいに終われたんじゃないかなー?
何度も出てくる割にはインパクトに欠けてて、「なんでバナナ?」って毎回思いましたもん。
 
星は三つ。
色々惜しいなと思う作品でした。