駄文徒然日記

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花組 『銀ちゃんの恋』 大空祐飛

DVDヅカ視聴日記。(スカステ録画・ドラマシティ公演)
 
最初のアナウンスが「倉岡銀四郎」名義で流れて、なんでかなと思ったのですが、ラストを見て納得。
これは大空祐飛主演作品ではなく、倉岡銀次郎演ずる倉岡銀次郎の物語なのですね。
悲劇のラストが、フィナーレで明るく楽しく終わってて、よかったです。
 
<作品解説>
1982年に「直木賞」、1983年には大ヒットした映画版で「日本アカデミー最優秀脚本賞」を受賞した、つかこうへい作「蒲田行進曲」を原作に、1996年、久世星佳風花舞汐風幸月組により、宝塚バージョンとして上演。宝塚歌劇としては異色の題材ながら、大好評を博した作品。
(ちなみに私、映画は見てません…)
 
最初、微妙な小芝居があって、
(台本が微妙ってことです。初姫さあやちゃんのなりきりぶりは素晴らしかったです^^)
「うん?」と思ったら、銀ちゃん登場。それで私の中の微妙な空気はすべて吹っ飛びました。
うわー、かっこいい!!
 
そこからずっとユウヒさんは銀ちゃんでした。
ユウヒさんの本来の持ち味とは違う役だったんじゃないかな?
だけど、立派に銀ちゃんだったんですよ~。
のんちゃん(久世星佳)の銀ちゃんは、スターの貫録がある銀ちゃんだったと思うのですが、
(昔見たきりなのでほとんど忘れちゃってるんですが…^_^;)
ユウヒさんはスターらしい華やかさと愛嬌のある銀ちゃんですね~。
この銀ちゃんって役は、やりたい放題の一見共感を得にくい役なので、
そこを銀幕スター様の魅力で観客を強引にでも納得させ、魅了せねばならないと思うんですが、
ユウヒさん立派にやりきってましたね~(>_<)
もう何しても許される魅力が存分に出てました。
寂しがりの銀ちゃんは、みんなを全力で愛してるんですよね。だからみんなに愛されるんですね。
かっこよく、そしてかわいい銀ちゃんでした。
 
そんなスターな銀ちゃんととても対照的だったヤス、みつるくん(華形ひかる)。
腰の低さとか小物臭がぷんぷんで、でも人の良さが滲み出てました~。
ヤスは常に他人のため、映画のためを純粋に想って、自分の損得とか考えない人ですよね。
あまりに他に捧げる生き方をしてきてしまったから、自分の幸せと正面から向き合えない不幸…。
そして銀ちゃんが好きで好きで好きなんですよね。
小夏のことも好きで大事にするけど、最後は銀ちゃんなんですよ…。
もうみつるくんの熱演に涙しそうになりました~。
 
すみ花ちゃん(野々すみ花)も小夏役、ハマってましたね~。
大女優のプライドと、そして落ちぶれた哀愁が出てて、さらには女性の性も感じられて、惹きつけられました。
女は感情だけで突っ走れないですからね。
気持ちは銀ちゃんにあるけど、ヤスに情はうつってくるし、子どもを抱えた将来もある。
その葛藤が、見てて辛かったです…。
しかし、銀ちゃんとヤスを相手に苦労を見せつつも、最後は大人な対応なんですよね。母性と言いましょうか。
彼らのすべてを受け止めつつ、でも自分の道を見失わないんですよね。
普段大人な女性な小夏が、時折見せる少女のようなとこもかわいかったです~。
 
ヤスの母親役の邦なつきさんはさすが。
緩急上手な演技でどっぷり感情移入してしまいます…。
「小夏さん、ヤスをよろしくぅぅ~~」と見てるこっちまで一緒に頭下げたくなっちゃいました。
 
出演者一丸となって作品にあたってる様子が伝わってくるようでした。
見てて胸が熱ーくなる作品でした。
面白かったです(^^)