駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『女神のタクト』 塩田武士

マンガ見てるみたいにさくっと楽しめる本です。
オーケストラを舞台にしたお話ですが、音楽メインと言うよりは、お仕事ものの本だと思いました。
凶暴女子、明菜(30)が奮闘する、オーケストラの裏方のお仕事ものって感じでしょうか(笑)
キャラが濃いんですよね。変な人ばかり出てきて、それを明菜が威勢よくぶった切る感じ?
音楽関係は詳しくないんですが、細かいつっ込みどころがあちこちにありそうな感じです(^^ゞ
だけど、そういうのは無視して楽しんで読む本ですね。
 
<内容紹介>(amazonサイトより)
進め、前へ。音楽は魂だ! 『盤上のアルファ』で鮮烈デビューの著者、待望の最新刊。30歳にし
て職と男をなくした矢吹明菜。旅先で出会った老人に「アルバイトせえへんか?」と誘われる。金
がなく公演もままならない小さな楽団に、ある男を連れてくれば報酬があるという。それが明菜と
、一度は世界的に活躍した引きこもり指揮者・一宮拓斗、そしてオルケストラ神戸の出会いだった
。笑いがいつしか感動になる音楽の奇跡の物語。
 
作者さんが関西の方だからか、会話がなんか“お笑い”なんですよね(笑)
漫才の掛け合いのような会話部分も楽しかったんですが、
一番面白かったのは、公演会を開くために明菜たちが奮闘する部分です。
裏方で働く方々のプロのお仕事は、色々駆け引きがあって面白かったです。
公演会場所を探す、楽器の搬入、譜面置きや椅子のセッティングなどなど、
公演会が始まるまでの裏方話は興味深かったです。
 
音楽描写に関しては…「のだめ」読んでると微妙に突っ込みが入ってしまう…(^^ゞ
「のだめ」に書かれてることが正しいわけじゃないのでしょうけど、
音楽描写を比べたら、どうみても「のだめ」の方が説得力ありますもん…。
この本のもったいないところは、音楽描写が弱いところですね。
(音楽を題材にした本を色々読んできてるからなぁ。どうしても比べちゃいます…)
それを気にしなければ、もっとハマり込めただろうな。
 
あと音楽描写に限らず、文章や構成にもっと引きこむところがあればなぁと思いました。
ただ単に私の好みと違っただけかもしれませんが。
(明菜や拓斗の過去話はもっと効果的に使えたような気がするんだけど…)
でも、勢いで突き進むように思えた話を、最後まとめ上げた構成は、良くできるなと思いました。
最後、ちょっと感動しちゃいました。
ドラマ化とかは、すごくよさげだなと思います。
 
ハマれきれなかった部分があったので、星はちょっと辛めで三つです(^^ゞ
でも誰でも気軽に楽しめるお話だと思います♪面白かったです!