駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『婚外恋愛に似たもの』 宮木あや子

あはは、楽しかったー。
アイドルに熱狂的にはまっちゃう女性たちのお話…というとちょっとこれから読む人に誤解を受けそうかな。
アイドルに夢中になってる35歳の5人の女性たちを描いてるんですが、
真のテーマは、35歳を迎えた女性がこれからを考える、って感じでしょうか。

某事務所を思わせる、INAZUMAとかスコップとかいうグループが出てきます・笑。
私がミーハーなんで、何かにハマってしまう人のお話はすごく通じるものを感じてしまいます。
同じものを好きな人同士って、なんであんなに一気に打ち解けあえるんでしょうね(笑)
初対面からお互い超ハイテンションで語りまくっちゃったりしますもん。
これ読みながら「わかるわー」という箇所があちこちと。
でも私は気が多くて、何か一つにどっぷりはまってしまうタイプではないので、
共感までは至らないんですけどねー…(^_^;)
ここに出てくる方々はご贔屓一筋なので、私なんか気が多すぎて相手にされなさそうです…(^^ゞ
 
<内容紹介>
愛したひとは、2.5次元。35歳人妻、夫以外の男に溺死寸前。
 容姿も、家族も、社会における立ち位置もバラバラの5人の女の共通項は、35歳。夫あり。そして男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンであること。
 女の本音に溢れる宮木あや子の“最凶恋愛小説"!
 
アイドルへのはまり込み具合はすっごい詳細に描かれてて、リアリティ溢れてましたよ!
宮木さん自身もファンなのに違いない…。
昔のビデオ引っ張り出して、先輩の後ろで踊るご贔屓を探すのなんて、ヅカでもやりますからね~。
ジャ○ーズでも昔のMステ映像とか後ろばっかみたりしちゃいます(^^)
(ジャニヲタとヅカヲタは共通点が多いと思う…)
章ごとに語り手が変わっていくんですけど、それまでの登場人物がどんどんつながっていくんですよー。
こんな偶然はあり得ない、と一瞬思うんですけど、楽しいからOKでした(^^)
そんなとこが柚木麻子さんの「あまからカルテット」のようでもありました。
(こちらは刺々しさにあふれてて、ずいぶんテイスト違いますけどね…笑)
そして、いろんな立場の女性のそれぞれの言い分を楽しむという要素もあるんですが、
女性キャラの造詣が極端すぎて、共感するという感じではないんですよね(^^ゞ
こはちょっとリアリティに欠ける感じですけど、でも面白く読みました(^^)
 
表紙で、美しい女性が応援グッズのうちわをさりげなく持ってるんですけど、
そこに「愛して」って書かれてるんですよね。
なんかこれ見て、この登場人物ってみんな「愛されたい」んだなーってしみじみ思ってしまいました。
「愛されたい」と願う思いの強さでもって、
絶対に愛が返ってこない相手であるアイドルへと愛を向けてるんだろうなぁ。
だって一方通行の愛なら、裏切られることがないから。

でも、「現状の不満をアイドルにハマることで解消している」なんて分析めいたものは、
この話でははねのけちゃうんですよね。そこがいい。愛は理屈じゃない!!
もうね、女性はいくつになっても恋をしなくちゃいけませんよ。
2次元でも2・5次元でも3次元でも。
ときめく気持ちがあれば、生活に彩りが出てきて、活力や励みになりますもん。
恋するドキドキはずっと失いたくない感情だなーと私なんか常に思ってます。
(っていって、気が多すぎるんですけど…(^^ゞ)
 
それぞれの結末も、こぎれいにまとめてないとこが好きでした。
そんな簡単に人生の答えなんて出るものじゃないもの。
この五人もきれいに友情を育むわけじゃないし。それもまたよし。
でも読み終えると、なんかちょっとすっきりするよい終わりなんですよ。
 
宮木さんは初読み。この作品はこれまでのとはちょっと毛色が違う感じなのかな?
他のはまた違う雰囲気のお話を書かれてそうですね。
この本では、えらくクソ○○と連発されて、口悪い感じがあったけど、
まあ小気味よいといえば小気味よかったのかな。すごく読みやすかったです。
もうちょっと他のテイストのも読んでみたいかな(^^)
もちろん、このお話の続編も大歓迎です~♪