駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『そらみみ植物園』 文・西畠清順 画・そらみみ工房

ねこりんさんの記事で知った、この本。
特に植物に興味があるというわけではないのですが、なぜか気になって借りてきました。
(なにせポトスを枯らす女ですから…植物には手の届かない憧れのようなものがありますね・笑)
 
面白かったですよー。
150P程度の小さい本で、半分イラストなのであっという間に読めちゃいました。
世の中にはこんな変わった植物たちがいるのか、という驚きはもちろんですが、
それを求めて飛び回り、溢れんばかりの情熱を向ける筆者(プラントハンター)の西畠清順さんも
素敵でしたねー。
求める対象は植物だけど、その姿は肉食系男子のごとく!
もうなんつーか、ワイルドすぎて素敵です。
それぞれについてる植物解説も、愛あるツッコミに笑ってしまいました。
いいなー、もう。高野秀行さんと同じ匂いを感じてしまいましたよ。
 
<内容紹介>(amazonサイトより)
おそるべき才能をもった植物、秘境・ソコトラ島の植物、ムラムラくる植物、そして──愛を語る植物……。
世界中にいる摩訶不思議な植物たちを、その裏側にあるいちいちおもしろいストーリーとイラストで紹介します。
著者は、寝ても覚めても植物のことばかり考えているプラントハンター・清順。
2011年3月には「情熱大陸」にも取り上げられた話題の人物です。
彼が世界中を旅して出会った何千、何万もの植物の中からよりすぐりの約60点を独断と偏見でピックアップ。
植物の話が、そらみみのように聞こえ、ふと気づくとあなたの心のなかにも植物園ができるような……そんなイメージの植物エッセイです。

どれもインパクト大な植物たちなのですが、特に印象に残ったものをいくつか・・・。
 
「ライオンゴロシ」・・・すごいです、植物のクセにライオンを飢え死までさせるし、
ライオンなどが痛みで暴れまわる度に胞子を飛ばして繁殖するんですから…。

ガラパゴスでの「ウチワサボテンとイグアナ」の進化の競争もとても興味深く読みました。
今はイグアナ君が優位だそうです。次はウチワサボテンはどんな手で打って出るのか?

世界一大きなサボテンは通称「弁慶柱」というのだとか。大きいだけではなく、その有能ぶりが素敵。
ああ、やはり弁慶さん素敵ね、とそんなとこにまで源平がらみに食いつく私…(笑)

大きさで言えば、セコイヤメスギとセコイヤオスギにも驚きました。
「世界一大きい」ってその大きさが尋常じゃないんですけど!!
いやー、世界は広いですね、ほんと(しみじみ)。

ネットで検索して画像を見て衝撃を受けたのは「ドラゴンブラッドツリー」。(この本ではすべてイラストです)
絵本に出てきそうな、現実には存在しなさそうな不思議な形の木なんです。
これ実物で見てさらに衝撃を受けてみたいなぁー。

ヤギがなる!?「アルガンツリー」も絵本に出てきそうな木です。これは実際に見たら笑っちゃいそうです。

あと「レインボーユーカリ」も画像見てびっくり。
ほんとにレインボーだ!!そんなカラフルな木が存在するんだ!!

そして「ミラクルフルーツ」というものが紹介されてるんですが、
私これ食べたことあるので、ちょっとうれしかったです。(子供の科学系イベントで)
このミラクルフルーツを食べてから、レモンや梅干を食べても甘ーく感じるんです。面白いですよ♪

下ネタ系も結構多いんですけど(笑)、「オーキッドハンマー」には感心しました。
メス蜂そっくりな花を咲かせ、オス蜂が間違えて交尾しに来るのを待つんです。
植物のこういう進化を知るにつけ、ほんと人類の先輩だなーとその強靭さと柔軟さに舌を巻きます。
例え人類が滅びるようなことがあっても、植物たちは平気で生き残るんだろうなー。

花のインパクトで言えば、「トケイソウ」。パッションフラワーの別名があるのも知らない私でしたが、
それでもそのパッションが「情熱」ではなくキリストの「受難」から来ているというのには驚き。
派手なにぎやかそうな花のイメージが一転しました…。なんて重い…。
今度から複雑な思いで見てしまいそうです…。

最後の章の「世界を変えた植物」は、またちょっと違う視点から植物について語っていて、
この章の話も面白かったです。利休の朝顔のエピソードもありました(^^)
 
根も土も水もなくても平気な「トックリラン」がTOYOTAの新型車お披露目会に登場したのは、
ニュースかなんかで見てました。そっかー、あれって西畠さんのお仕事だったんだー。
西畠さんのお仕事と言えば、二年前に福岡のイムズで
「そら植物園 in FUKUOKA」というイベントをやっていたのですが、
それにたまたま遭遇してたんですねー、私。
見たこともない不思議な植物が色々飾ってあり、漠然と驚いた覚えがあります。
西畠さんの存在はこの本で初めて知ったというのに、
なんだかんだと彼の活動に触れてたんだなーと思った次第。
幅広く活躍されてる方なのですね。(見てはないですが、テレビにも何度か出てるみたいですね)
 
この本の実写版ともいうべき庭が、代々木ヴィレッジにあるらしいです。
東京に行く予定は今のとこないですが、行くことになれば、絶対寄ろうと心に決めたのでした(笑)