駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『イケメン☆平家物語』 山下景子

へへ、いかにも私が食いつきそうな本ですよね(笑)
ずいぶん前に買ったんですが、図書館本の合間にちびちび楽しんでました(^^ゞ
小説ではなく、「〔超入門〕コミック&解説」というサブタイトルがついてて、
平家物語」の案内本となってます。
 
いろんなエピソードがてんこ盛りですごく楽しめました。
平家物語」のみならず、あちらこちらの史料からいろんなエピソードを引っ張ってきてくれるので、
「ほうほう」と喜んで読んじゃいました。
引用元なども添えて丁寧に説明してくれるし、
現代に置き換えると・・・という感じでわかりやすーく解説してくれます。

ネタもほんとバラエティー豊か。
室町時代に『平家花揃』という作品があったそうで、
それから「平家の公達を花にたとえると…」と紹介するコーナーも。
正確には花にたとえるというより、「そんな情景の中に立たせてみたいイメージ映像」だとかで、
読むだけでむふむふしてしまった平家狂いな私です(笑)
一つ例を挙げると、大好きな重盛は、
「八重白梅・・・冬の夜明け、広い庭に八重白梅が咲きこぼれ、鶯が華やかに鳴いている」と書かれてます。
ぐあー、想像しただけでうっとりものじゃないか!

あとは、平家とりっぷという史跡紹介のページがあったり、平家トリビアもあったり、その他コーナーいろいろ。
中でも、平家の人々が残した和歌を紹介してるのはとても興味深かったです。
なんかそれ見ながら改めて、歌人としても一流の忠度さんが、
大河ドラマムロツヨシさんだったのがやっぱ違和感だなーと(笑)
いや、ムロさん大好きなんですけどね…(^_^;)
話がそれました…(^^ゞ
平家の方の乳母子の紹介なども面白かったです。
赤間神宮の七盛塚によく知らない名前があるなと思ってたけど、一緒に死んだ乳母子の名前だったか…(涙)

平家物語」は本当に面白いエピソードが満載だな、と思います。
こんだけ「平家平家」騒いでるんだから、いつかちゃんと「平家物語」を読まねばな…(-_-)

<内容紹介>(amazonサイトより)
本書は、ベストセラー『美人の日本語』の著者による女子のための平家物語案内。
平家物語』は、イケメンがたくさん登場する日本人に愛され続けてきた物語です。
物語の流れを漫画で楽しくつかめる「超入門コミック」、美男子をずらりと揃えた「イケメン・ランキング」、恋の名場面を集めた「平家ロマンス劇場」など、様々な企画、たくさんのイラストと共に『平家物語』の華やかな世界を楽しむ一冊です。
【本書のおもな内容】
平家イケメン・ランキング
第1章 平家のスーパースター・清盛誕生!
第2章 清盛ファミリーの全盛時代
第3章 かげりゆく栄華
第4章 平家よ、どこへ行く?
第5章 激突! 源平サバイバル
第6章 大いなるエピローグ
…and more!
 
 
筆者がまえがきで「バラエティー番組を見るような感覚で」と言ってるだけあって、
「冥界インタビュー」や「平家ロマンス劇場」などくだけた感じのコーナーづくりや、
とっつきやすそうな雰囲気づくりになってます。
でも、内容は面白く読んだんですけど、なんとなく全体的な雰囲気がしっくりこなかったんですよねー。
なんか、パッケージと中身が微妙に違ってる感じがするんですよ。
『超入門』と振ってる割には、何人ものエピソードが散漫とした感じで並べられてて、
平家物語」の大筋を知らない初心者にはやさしくないですし、
「イケメン☆」なノリは最初のイケメンランキングの数ページのみで、
全体的に「イケメン」というほどの軽薄さが足りず、なんだかやたら真面目。

「イケメン」というタイトルつけるからには、もっとミーハー心がほしかったなぁ…(>_<)
例えば、「知盛」と書いた自作うちわを振り回す勢いのようなものが~!!
(一番好きなのは重盛だけど、一番かっこいいと思うのは知盛)
そういうときめき感が、文章からあまり感じられなかったのが、ちょっと残念でした。
表紙にイケメン敦盛くんが載ってるんですが、そんな華やかなノリが表紙で終わってしまってる…。
先に挙げた「平家花揃」のコーナーだって、
情緒たっぷりな雰囲気のイケメンイラストとか添えてくれるくらいのサービスがほしかったなぁ。
イケメンランキングのコーナーも温度低すぎ。(あれ?私がテンション高過ぎ?)

平家物語」には、平家のみならず源氏も含めて、かっこいい殿方がたくさんおるのですよー。
そういうのをもっとミーハー心たっぷりに、
「いねーよ、こんなの」と突っ込みたくなるくらい過剰な妄想とともに、紹介していただきたかったです(笑)
筆者の山下さんって、きっとすごく真面目な方なんだろうな・・・。
平家と嵐を重ねて語ってた大塚ひかりさんなんか、文章からときめき感が溢れまくってたけどなぁ。
 
内容としては、読みやすくて充実してて満足ですが、表紙とのギャップにちょっと残念感…。
「超入門」と書いてますが、かるーく基礎知識を持った上で読むのをおススメします。