駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『子育てはもう卒業します』 垣谷美雨

垣谷さんの作品を読むのはこれで二冊目です。
前読んだ「結婚相手は抽選で」は、あり得ない設定でも妙なリアリティで面白く読んだけど、
今回のはとんでも設定はなく、現実感たっぷりな話だったのに、いまいち共感しきれませんでした…。
読みやすくはあったので、なんかさらーっと読んじゃいました。
若い時にバブルを経験した世代、現在50代の主婦三人が、学生時代から現在に至るまでを語る物語。

<内容紹介>
「母親として主婦として頑張ってきたけど、私の人生このまま終わりに向かうの……?」 
教育費を捻出するため夫の両親と同居するお受験ママの淳子。 
娘には一生続けられる仕事に就いて欲しいと願う専業主婦の明美。 
親の猛反対を押し切り結婚したことを後悔するお嬢様育ちの紫。 
就職、結婚、出産、子育て、嫁姑、実家との確執、職場復帰…… 
故郷を離れた18歳から40年、3人は悩みを語り合ってきた。 時には口に出せない痛みを抱えながら―― 
注目作家が、「親離れ・子離れ」を等身大で描く書下ろし長編小説。

出てくる主人公たちと世代が少し違うからちょっと共感しそびれたかな?
私はバブル知らずで、就職も氷河期だったし、彼女らとはちょっと価値観が違ってますもんね。
女性の就職の条件が「自宅通勤」なんて初めて聞いたし。
でもまあ、どれもありがちな話だし、50代じゃなくても子育て世代の女性なら
共感できる人が多い作品かもしれないな、と思います。
(私も子育て中ではあるんだけど…(^_^;))

身につまされるのは、世代が少し違うだけで、こうやって価値観が違うって感じるんだから、
私の経験してきたことがいかに子ども世代に通じないかは、推して知るべしって感じですよね。
作中でも親と子の価値観が違いが、ちゃんと描かれてたし。
子育てで親の価値観を押し付けちゃいけないよなぁ。
そして自分の親世代にもその世代の価値観ってのがあるんだし、
「考えが古い」なんて一蹴しちゃいけないんだろうな。(それに従う必要もないけど、尊重はしなくちゃね)
世代間でそれぞれの考えを押し付けてもうまくいきにくいし個々の価値観もそれぞれあるわけで、
まずは当事者の主張を最優先できるよう、
子どもには「見守る子育て」をモットーに、忍耐で頑張りたいと思ってるんですけどね。
…でもそれがなかなか難しくて、すぐ怒っちゃうんだけど(^_^;)

そして同世代の間にも、それぞれ抱えてる問題があって、
一見うらやましく見える家庭でも悩みのない家庭なんてなくて、
それぞれが一生懸命奮闘してるわけなんです。
環境や結婚相手や実家など、同じ大学出身でも立場がまるで違う三人の、
それぞれの視点の物語を面白く読みました。

ただ主人公三人の区別がつきにくく(私だけ?)、ちょこちょこ視点と時代が変わるので、
結構読むのに混乱してしまいました(^_^;)
そういう読みにくさが、はまり込みにくさにつながったのかなぁ?

すみません、あまり印象に残らなかったので、感想も軽めになりました(^^ゞ