駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『キャプテンサンダーボルト』 阿部和重・伊坂幸太郎

これは面白い。
これぞ、間違いなしの面白さ。
純度100%のエンタメ作品といいましょうか(笑)

伊坂さんに阿部さんが加わるとこんな感じになるのかー。
とにかくノンストップで読みました。
阿部さんは全くの未読ですので、どんな風に合作になってるのかとかわかりませんでしたが、
伊坂作品だとふっと肩の力を抜くような逸らし感があったりするのが、
そういうのを抜きにした、完全なエンタメ作品に仕上がったな、という印象でした。
(伊坂さんの抜き具合は、それはそれで味があって好きなんですが)


<内容紹介>(出版社HPより)
人生に大逆転はあるのか?

小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。
二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、
それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。

東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、
公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。
すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――

現代を代表する人気作家ふたりが、
自らの持てる着想、技術をすべて詰め込んだエンターテイメント大作。


かなり荒唐無稽なストーリー展開ですが、それこそ稲妻並に駆け抜けちゃうから、
些細なことはぶっ飛んじゃいます。
あの謎この謎といくつかの謎が絡まり合って、それが分かりかけて、
でも、やっぱりわからなくなって…というそのさじ加減が非常に絶妙なんですよー。
いくつかの話が絡み合っているんですけど、決して読みにくい複雑さではなく、
それがじわじわと解明されていく過程がとても巧くてがっつり引き込まれます。
「村上病」の真実とは?墜落したB29との関係性は?
そして敵が狙う「五色沼の水」の正体は?この「敵」は何者!?などなど・・・。
とにかく細かいことは抜きで、読んで味わってください、としか言いようがないです。
最後の締めはちょっと雑っぽさも感じたけど、がっつり盛り上げて大団円でまとまったからいいかな~。
色んな伏線もきっちり効いてましたしね。最後の最後まで楽しめる作品だったと思います。

出てくるキャラは伊坂さんテイストを感じたなー。
だから、はじめましての登場人物たちだけど、
伊坂ファンとしてはなんかしっくりくるなじみ感があるんですよね(^_^;)
そして、この中に出てくる重要な要素「村上病」…やはり村上春樹さんから来てるのでしょうか。
(お二人の対談で春樹さんのこと書かれてたし)
つかみどころのない感じがなんかイメージっぽい気がしました(笑)

内容にはほとんど触れられませんでしたが(^_^;)、
とにかくエンタメ作品を読みたい人には間違いなくおススメ。
伊坂ファンも読んで間違いなしです(^^)/