駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『特捜部Q─檻の中の女─』 ユッシ・エーズラ・オールスン

久しぶりの海外物だったせいか、読むのにとても手こずってしまった…。
文章が少し読みにくくて…というか、いかにも海外ものな言い回しが苦手で(^_^;)、
登場人物も多く、なかなか名前を覚えられなくて混乱したりして、時間がかかってしまいましたが、
面白く読みました。

<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
「特捜部Q」―未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。カール・マーク警部補は「Q」の統率を命じられた。しかし、あてがわれた部屋は暗い地下室。部下はデンマーク語すら怪しいシリア系の変人アサドひとりのみ。上層部への不審を募らせるカールだが、仕事ですぐに結果を出さねばならない。自殺と片付けられていた女性議員失綜事件の再調査に着手すると、アサドの奇行にも助けられ、驚きの新事実が次々と明らかに―北欧の巨匠が本邦初登場。デンマーク発の警察小説シリーズ、第一弾。

何と言ってもキャラがいい。はい、変人アサド、お気に入りです。
なんすか、あの引き出しの多さは。あれだけ行動が自由自在なのもすごい。
次に何するかわかんなくて目が離せません。ニコニコ穏やかキャラかと思いきや、突然キレるし。
それでいてつかみどころがないという感じじゃなく、ちゃんとキャラが立ってるのが魅力。
非常に聡明で、強くて、どこか強引で、
彼がいなくては話が進まなかったのでは?と思えるほど、この作品の肝となるキャラです。
主人公のカールも、ちょっとひねくれてて変わり者っぽくて、
でもなんだかんだいって奥さんに折れちゃうとことか、情に厚いとことか、愛すべきキャラでしたね。

この作品での被害者ミレーデも、凛々しくてかっこよかったです。
サブタイトルの「檻の中の女」というのは監禁されちゃう彼女のことなんですけど。
いや、そんな状況、最初の段階で私、心折れますよ。3日ともたないよ。
なのに、彼女は冷静でポジティブで、それでいてクールで、かっこよかったです。

しかし、監禁ものは読んでて辛い…><
最初のミレーデのみじめな状況とか、歯の描写や最後のとことか、うう、読み進められない…。
ラストは「ミレーデを早く助けてあげて~」と思いながら、懸命にページをめくりました。
そんな陰惨な事件ながらも、カールの飄々ぶりと、アサドの魅力で、なんとか読めた感じです。
2002年に始まる事件と、現在を行き来する構成も巧くて、引き込まれました。
二人のラストは救われました。途中で、ウフェが犯人だったら嫌だー、と思っていたのでなおさら。

新部署が厄介者と共に地下室に送られるのは、日本の警察ものでもよくある設定。
しかし舞台がデンマークということだからか、その背景というか、文化というか、いろいろ違いますねぇ。
読んでて「海外物だなー」と、新鮮な驚きをたびたび感じながらの読書となりました。
デンマークという国をもっと知って読むと、更に味わい深くなりそう。(島がいっぱいあんのね…)

物語はとても面白いのですが、「海外物」や「残酷」という私にとっての読みにくさがあって、
この先読み続けようか迷うところ…。
アサドの活躍はもっと見たいし、正体も知りたいけど、残酷な事件が続くのは辛いなぁ…。