駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

雪組 『ロシアン・ブルー ─魔女への鉄槌─』 水夏希

ヅカDVD視聴日記。(スカステ録画・東京千秋楽)

大野先生の作品を見るのは、これが初めてでした。
とても楽しかったです~。
たくさんの人に役が振られて、ノリがよくて、トップコンビもたってて、
宝塚のためのお芝居を良く作ってくれたな、と思いました。
組子さんにちゃんと合った配役で作ってる気がしました。
雪組サンに疎いのでそこのとこはあまり分からないんですけど…)
歌うまさんなどの無駄な見せ場も(笑)、ファンには嬉しいサービスですよね。
下級生まで見せ場をまわしたせいで、中堅どころの出番が削られて、
そこは不憫だったんですけどね…(^_^;)

<あらすじ>
米ソが対立する以前。1920年代のモンパルナスの様に、世界の人々を魅了する文化的先進地だった、1930年代のモスクワ。舞台芸術家の訪問団を率いてやって来たアメリカの下院議員と、その訪問団を迎え入れるソ連の女性官僚。下院議員は訪問団の成果で名を上げ、上院議員に転出したいと考えているが、「鉄の女」の異名を取る女性官僚は、下院議員をスパイと疑って監視の目を緩めない。結果、いがみ合う二人。
…そんな二人が実は、魔法使いと魔女の末裔!?それぞれの思惑を胸に、それぞれに作った「惚れ薬」が巻き起こす騒動を描く、スクリューボール・コメディ


ミズさん(水夏希)、「カラマーゾフ」や「マリポーサ」のようなどっぷりなお芝居をこなすのに、
こういう軽ーいタッチのコメディもきちんと面白く、かつカッコよくこなしちゃう、
本当にすごいなーと感心。
オーバーな仕草がいちいち笑えて、でも身のこなしは華麗ですから、カッコよさも忘れない。
実に絶妙~。

ミズさんといい掛け合いをみせるヘンリー役のゆみこさん(彩吹真央)。
ゆみこさん、見るごとにハマってしまいます…。
なんて素敵なんだ~~~。
ミズさん演じるアルバートにお仕えする執事兼秘書役なのですが、
どこか上から目線なクールさが非常にツボ!
クールなんだけど、ちゃんと愛情があって、その二人のデコボコっぷりがとても楽しかったです。
千秋楽ならではアドリブも、ともすればぐだぐだになりそうなところを、
お互いギリギリのところでフォローして、まとめ上げたのはさすがだと思いました(笑)

相手役のイリーナ、みなこちゃん(愛原実花)。
「鉄の女」の異名をとる冷たい女性。こういう役ほんと似合いますよね。
で、すごいなーと思ったのは、ツンとしてるのに、「惚れ薬」のあとにふにゃっと可愛くなるところ。
完全に惚れてしまうわけじゃなく、うっかりすると本音が出ちゃうみたいな微妙な愛情表現で、
ミズさんに「参ってしまってる」ような弱さを見せる姿がとてもかわいかったです。
難易度が高い思われる、コメディというお芝居で、ミズさんにリードされて、
一生懸命に、でもきちんとついて行ってるみなこちゃんがとても好印象でした。
トップコンビがとてもキュートで、見てて幸せでした。
ただ、みなこちゃんのあのロングスカート…いくらお芝居とはいえダンスの人なのに、
動きにくそうな衣装はちょっと気の毒でした…。

ニコライ役、はまこさん(未来優希)。
「カラマ」で見せたエ○おやじ再び(笑)
巧すぎる…。強欲ぶり、悪役ぶりが非常に板についていて、なんとも頼もしい存在感でした。

本当にいい呼吸でお芝居してるなーと感激したのですが、ほんの去年の作品なのに、
上にあげた人はもう誰もいない…(涙)
ちょっと寂しすぎますね…。

専科から汝鳥伶、五峰亜季、美穂圭子と出演されてますが、五峰さんも美穂さんも元雪組なので、
専科というより雪組一員のように見てしまいます…。
なので雪組の層の厚さを実際以上に感じてしまったかも。
今とのギャップが大きすぎるなー。

あとキタさん(緒月遠麻)、かっこよかったですね。
コメディ作品なのに、コメディじゃないキタさん!!なんか新鮮!!
一人シリアス担当なんだけど、浮いてなくて、とてもよかったと思いました。
出番がちょっと少ないんですけどね。

他に目に付いたのはキングくん(蓮城まこと)。
空気を読めない役柄の、ちょっとずれたお芝居が絶妙でした。

とても楽しいお芝居。
コメディはノリと勢いと思ってたんですが、
これは雪組さんらしくきちんと作りこまれたコメディで、安心して見てられる堅実さがありました。