駄文徒然日記

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星組 『赤と黒』 安蘭けい

ヅカDVD視聴日記。(スカステ録画・シアタードラマシティ公演)
 
とうこちゃん(安蘭けい)主演作品。
 
最初とうこちゃんが出てきて、作品の年を確認してしまいましたよ。
これ退団一年前の作品なんですよね。
でもそう見えなかった。若い!!なんというか、表情が少年のようなんですよね。
この作品のすぐ前に、「エル・アルコン」で、ダークヒーローを演じてますが、今回も悪い人です(笑)
悪い人だけど、登場時の表情が「エル・アルコン」の時と全然違います。
もちろん設定がまるで違うわけですけど、この「赤と黒」ではすごく無垢な表情をして現れるんですよね。
彼の一途な純粋さが、この悲劇を生んだという暗示のようです。
 
<解説>
 19世紀中期のフランスの文豪スタンダールの長編小説「赤と黒」を原作に、主人公ジュリアン・
ソレルの恋と野望をドラマティックに舞台化した作品。
 
私、とうこちゃんの黒い役とかひねた役とかが本当に好きなんですね。
そして、今回は夫人を誘惑する若き青年の役。
いつも惜しいなと思う、とうこちゃんの小柄な体や少年っぽい風貌がぴったりとはまって、
まさに私にとってどストライクなハマり役でした!!
静かに野望に燃え、プライドが高く捻くれた性格、そして影のある主人公・ジュリアン。
ああ、もうぴったり!
ジュリアンが、葛藤し苦悩する姿はたまりません~(><)
しばしば見せる、色気ある表情もぞくっとしました。
 
あすかちゃん(遠野あすか)のレナール夫人も落ち着いた感じが良く出てて、とてもよかったです。
主な出番が一幕だけなのがもったいないくらい!
ジュリアンとのイケナイ絡みは、あすかちゃんの表情にドキドキしてしまいました(><)
レナール夫人の心の揺れる様が見事に表現されてて、素晴らしかったです。
特に、二幕後半で銃口を向けられたレナール夫人が「ジュリアン…ごめんなさいね」と言いながら、
歩み寄っていくところにドキッとしました。
後悔とも満足とも思えるような自身の過ち、そしてその行為に至らせたほどの深い愛情などが見え隠れして、
引き寄せられるように銃口に近寄っていくレナール夫人。
ここ、もうちょっとじっくりやってほしかったなぁ。
 
ねねちゃん(夢咲ねね)、ちえちゃん(柚希礼音)とあすかちゃんの出番分を持って行ったかってくらい、役得。
マチルドという気の強いお嬢様ぶりはとてもよくハマっていました。
ただ「変わり者」という部分の説得力にちょっと欠けてたかな。
殺されそうになって喜ぶ場面など、ちょっと心情が分かりにくかったです。
 
ちえちゃんは二役。でもどっちも大した役ではないんですよね。二役やってもぱっとしない。
(ちえちゃん自身は目立ってましたが)
ちえちゃん以降の方々も出番が少なくて、
そういう意味では、役の分配に偏りがあり過ぎて、気の毒でした…。
 
組長さん(英真なおき)、ロミジュリを思い出させる神父さん。
組長さんの演技って、いつも思いやりに溢れてて好きなんですよね~。
稀鳥まりやちゃんがよい演技をしていましたね。
 
音楽が少しチープな感じで、雰囲気に合ってない気がして、残念でした。
でも作品としては、全体的には満足でした。こういう文学的な雰囲気は宝塚に合うと思うし、
私の好みでもあります(^^)
ただ、とうこちゃんファンでないとちょっと辛いかもしれません。
見る人によって評価が変わる作品かもしれませんね。