駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『空き家課まぼろし譚』 ほしおさなえ

うーん、もうひとつって感じでした。
この本を読む前に、小川洋子さんの本を読んでたのがいけなかったのかもしれない…。
文章が肌に合わないのか、なかなか物語に入っていけませんでした(>_<)
読みやすい文章なんですが、一から十まで書いてる感じがくどかったり、
余計な描写も多く描かれてたりして、リズムよく読めなかったんです…。
もっと行間を読ませるというか、読者に対して、少し余地のある文章の方が好みですね~。
あと、回想シーンの語りもちょっと分かりにくかったですしね。
雰囲気は悪くなかったんですが。
 
<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
ベニスのように美しい水上都市、海市。その一角にある風変わりな組織“海市協会空き家課”。だれも住まなくなった建物に再び命を吹き込むのがこの部署の仕事だ。そこに勤務する間宮明はちょっと気弱な25歳。仕事で扱う古い建物から古いアルバムをくすね、蒐集する悪癖がある。ある日、明の仕事に課長の娘・三上汀がついてくることに。そこで、汀の能力が目覚め…。次々に現れる空き家の謎を解く事は出来るのか。
 
設定はとても魅力的でした。異国情緒のある都市で、風情ある建物を取り扱う仕事。
その都市づくりの設定は良くできていて、
それに関わる少女・汀ちゃんの能力もいいアクセントになってたんじゃないかな。
全体的に、セピア色でレトロ感が漂った街の雰囲気は好きでした。

ただ舞台設定は良く練られてたのに比べて、キャラがあまり立ってなかったかなぁ。
一応、主軸となる人物はいるのですが、役割が曖昧で、感情移入できませんでした。
こういう短編連作は、探偵役がきちんと決まってる方が読みやすいのだなーと改めて思ってしまった…。
そのせいかどこか散漫な感じで、感情移入がしづらかったですね。
この作品は、ミステリと言うより、人情ものだから、これはこれでいいのかもしれないけど、
私には読みにくかったです(>_<)
 
4編収められた話の中で、好きだったのは、3話目の「オルガン奏者」。
幽霊の正体は先に分かっちゃったけど、音楽がキーワードだったからか、なんとなく好きでした。
2話目に出てくる、まやかし師の本は、なんかそそられましたねー。
架空の図鑑、架空のゲーム、架空の地図などなど…。
そっちの方で、色々想像膨らんじゃって、本編の方の読み込みがおろそかになってしまったかも…(^_^;)
最後ちょっと分かりにくかったです…。
 
星は三つ。
あまり入り込めなくて、感想もぐだぐだになってしまった…(^_^;)

余談。この作者さん、東浩紀さんの奥さんなんですね!夫婦で作家やってるとこって結構多いんですね。