駄文徒然日記

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宙組 『薔薇に降る雨』 大和悠河

ヅカBS視聴日記。
 
タニさん(大和悠河)のサヨナラ作品。
 
何とも不思議な印象のお芝居でした。演出が実験的と言うか、スーツ着たお芝居ですけど、
ファンタジーを感じさせる演出でしたね。それでいてセクシーな場面もあったり…(^_^;)
掴みどころのない舞台とも言えるかな。
 
<内容紹介>
 元将校の男。社交界の薔薇と評される女。再会した2人には、かつて叶えられない恋があった。
予備役となり久方ぶりに訪れた南欧の故郷。男はそこで偶然、一人の娘と知り会う。強く惹かれあ
う出会い―。だが貴族の血を引く娘の環境が、男の存在を受け入れるはずもない。2人は別れるし
かなかった。互いの想いを伝えられないまま……。
大人のラブロマンスが薫る、大和悠河陽月華・ラストステージ。
 
タニさんジャスティン。クールさの中に情熱を秘めた、少女マンガに出てきそうな役です。
ほとんど笑わないで、無愛想な、怒ったような感じがドラマで見る山下智久くんのようでした(山Pファンです・笑)
ちょっと愛が伝わりにくい演技なんですけどね、カッコいいから許されるのです!(笑)
とにかくキザリまくってました。
ジャスティン、常に怒った口調なんですよね。何事にも真剣で正直な人なのだろうな。
イヴェット(陽月華)にはほとんど責める口調で話してて、
逆に婚約者・ヘレン(美羽あさひ)には優しい言葉をかける。
ヘレンの前では、イヴェットに見せる姿とは全然違ってて、
ジャスティンの理想の男性を、そこで演じてるって感じでした。
ヘレンのことも大事に想ってたんですよねぇ。
ただ、イヴェット相手とグザヴィエ(悠未ひろ)相手の口調にあまり変わりがないのはちょっと残念だったかな。
そこに演じ分けがあって、もっとクールな口調の中にも愛が滲めば良かったなーと思いました。
(キスシーンにはこれでもかって愛がこもってましたけど!)
 
そう、キスシーンが驚くほど多い!!もうそのたびにドキドキしてしまいました。
ジャスティンらしい、ちょっと荒々しい仕草が素敵なんですよ~。
セクシーな男役さんですよ、タニさん!!
 
ウメちゃん(陽月華)の演技が好きです。
回想シーンの、ちょっとわがままお嬢様な感じと、再会した時の大人な女性の演技の演じ分けが素晴らしい。
彼女に降り積もった苦労を見てとれるようです。
特に再会した後の、平気を装いつつ、弱さをポロっと零すような演技が見ててきゅっときます。
家を守るために気丈にもジャスティンをはねのけつつ、
その内で一途に思い続けてる健気さが良く表れていました。
 
ジャスティンのビジネス・パートナー役の蘭とむさん(蘭寿とむ)、控え目に、きっちり脇に回ってらっしゃいます。
二番手としてはちょっと物足りないけど、出すぎてお芝居を壊すわけにはいきませんしね。
それはみっちゃん(北翔海莉)も同様。
二人が出すぎず、脇に回ることで、トップコンビ二人の物語になってますね。
ちょっとそこは物足りなくて残念でした。
 
ともちん(悠未ひろ)は、敵役グザヴィエ。私が見るといっつも敵役やってる気がするんですが…(^_^;)
ともちん、満面の笑顔が最高に素敵なので、いい人役を望むんだけどなぁ。
どんなに悪役やっても、どこかいい人っぷりが滲み出てる気がするのは気のせいでしょうか?
まさこさん(十輝いりす)の役と入れ替えた方が私好みかな。
まさこさんはがっつり悪役で見てみたいですねー。
『維新回天・竜馬伝!』のあの高杉さんのインパクトが忘れられない(>_<)
 
婚約者ヘレンを演じたまちゃみちゃん(美羽あさひ)もよかったなぁ。
頑張って物分かりのいい女になろうとしてる女性ですよね。
ヘタするとベタベタ湿っぽい女性になりがちなのを、さっぱりと演じつつも、
ジャスティンを気遣う優しさもきちんとあって、とても共感できました。
 
すっしー(寿つかさ)さんのちょっと壊れた感じの演技も素敵でした(^O^)
えりこさん(七帆ひかる)好きだったので、出番が物足りないー(>_<)これで退団だったのにな…。
 
タイトルから、ニーチェの言葉、「愛は雨のように降る」というのを思い出します。
薔薇はもちろんイヴェット。
ジャスティンは、優しい言葉を降らせるような恋愛をする男ではありませんでしたが、
黙って彼女に雨のように愛を降らせました。そして愛は、彼女に沁み込むように伝わっていったのですね。
ハッピーエンドのラストがとてもよかったです(^^)
 
不思議な雰囲気の作品で、作品の出来としてはどうかなとは思うんですが、
トップコンビが素敵だったので、いいかな(笑)
カッコいいタニさんときれいなウメちゃんを十分堪能できましたから。
楽しんで見ました。