『紙の民』 サルバドール・プラセンシア 藤井光・訳
GW中ずっと読んでた本です。
一言メッセージでも洩らしましたが、いやー苦労しました…(^_^;)
ちゃんと最後まで読めたのは面白かったからなんですが、とにかく読むのに時間がかかって。
一言で言えば、奇想天外。そして難解。
だけど、そのむちゃくちゃぶりは突き抜けてて、とにかく結末が気になって一生懸命読みました。
そして例のごとく、読み終えて慌てて返してきたため、手元に本がありません(^_^;)気になるところを
一言メッセージでも洩らしましたが、いやー苦労しました…(^_^;)
ちゃんと最後まで読めたのは面白かったからなんですが、とにかく読むのに時間がかかって。
一言で言えば、奇想天外。そして難解。
だけど、そのむちゃくちゃぶりは突き抜けてて、とにかく結末が気になって一生懸命読みました。
そして例のごとく、読み終えて慌てて返してきたため、手元に本がありません(^_^;)気になるところを
読み返す余裕もありませんでしたー(>_<)
樹らとともに名を連ねたメキシコ出身の作家サルバドール・プラセンシアによる傑作デビュー長篇。
小説は、一見メキシコ移民の物語として始まる。妻に捨てられたフェデリコ・デ・ラ・フェは、悲し
小説は、一見メキシコ移民の物語として始まる。妻に捨てられたフェデリコ・デ・ラ・フェは、悲し
みを抱えながら一人娘を連れて国境を越え、ロサンゼルス郊外の町エルモンテに落ち着く。ある日、自
分たちを上空から眺めている〈土星〉=作者サルバドール・プラセンシアの存在に気づいた彼は、他の
ラーにして聖人のサントス、メキシコ生まれという設定のリタ・ヘイワース、史上初の折り紙外科医な
ど、虚実入り混じるさまざまな登場人物がひしめき合う。彼らの「声」や「意識」を再現したテクスト
の自由奔放なレイアウトと飽くなき実験性、作者自身を取り込む語りというメタフィクション的仕掛け
が交錯し、唯一無二の世界を作り上げている。
いや、こんな紹介文だけでは何が何やらわからないと思います。
ここの描写もほんとすごかったなー。
だけど最終的には、この一番出生が不思議な人(メルセド・デ・パペル)が、
だけど最終的には、この一番出生が不思議な人(メルセド・デ・パペル)が、
もっとも冷静で、普通の感覚を持ってる感じですよね(^_^;)なんか淡々としていて。
やってることは「普通」とは言えないけど…。
あとの人物はおかしな方向に流されて、翻弄されちゃうんですよね(^^ゞ
やってることは「普通」とは言えないけど…。
あとの人物はおかしな方向に流されて、翻弄されちゃうんですよね(^^ゞ
(そして読み手も翻弄される~)
で、その登場人物の多さにもちゃんと意味があるんですよ。
この物語が終結していく様子は、面白く読みました。
この物語が終結していく様子は、面白く読みました。
とにかく書かれてることが、全然まともじゃなくて、不可思議素材のオンパレード。
だけどそれは私の知識不足のせいなんですよね。
メキシコが舞台のこのお話は、その地の生活や文化、そしてこの国の成り立ち、立場。
そしてキリスト教であったり、一般教養であったり、
だけどそれは私の知識不足のせいなんですよね。
メキシコが舞台のこのお話は、その地の生活や文化、そしてこの国の成り立ち、立場。
そしてキリスト教であったり、一般教養であったり、
その他知識をもってして挑むと、とても奥深いものになるはずなのです。
メキシコ独立戦争とナポレオン・ボナパルト、占星術などでは土星=鉛であるということ。
またメキシコと麻薬。レタス収穫労働者…。
それぞれにちゃんと理由はあるはずなのに、
メキシコ独立戦争とナポレオン・ボナパルト、占星術などでは土星=鉛であるということ。
またメキシコと麻薬。レタス収穫労働者…。
それぞれにちゃんと理由はあるはずなのに、
ポストガル語で「救世主(メシア)」を意味するそうです。
読後にそういうことをいろいろかじってみて、
この物語には様々な事柄が幾重にも重ねられてるのだろうと思いました。
不可思議に思える題材は、きっとどれもすごく意味があって、または隠喩であったりするのでしょう。
リタ・ヘイワースも知らない私は、ほんとわけも分からず読んでしまいました…(涙)
不可思議に思える題材は、きっとどれもすごく意味があって、または隠喩であったりするのでしょう。
リタ・ヘイワースも知らない私は、ほんとわけも分からず読んでしまいました…(涙)
とまあ、自分の無知を嘆くことになったわけですが、そんな私でも最後まで読めたのはなぜか。
それは、単純に「対土星戦争」の行方が気になったのと、
それは、単純に「対土星戦争」の行方が気になったのと、
そんな大仰な戦争話の原因が、妻に逃げられた悲しみであったということ。
結局はパートナーの別れの悲しみを主題にしたという、妙な陳腐さを持つそのギャップ。
すごい舞台で、うじうじと振られた女性を想って嘆き続ける作者と主人公には、
すごい舞台で、うじうじと振られた女性を想って嘆き続ける作者と主人公には、
情けなさと妙な同情心を持って読んでしまうのです。
やたらムキになってるんだもんなぁ、二人(^_^;)なんか目が離せなくなっちゃうんですよね。
そして大胆奇抜なレイアウトと構成。
本と言うものはここまで自由なのだ!と次々と繰り広げられる実験的手法は、とても刺激的でした。
第二章の始まりなんて、ほんとびっくりでしたもの。
第二章の始まりなんて、ほんとびっくりでしたもの。
内容は全然違いますけど、昔エンデの「はてしない物語」を読んだ時の衝撃を思い出しました。
「読書」にこんな仕掛けができるんだ!と本当にびっくりしましたから。
本の外の世界や読者も巻き込みつつの物語、これは実際に体感してみないと分かりません。
「読書」にこんな仕掛けができるんだ!と本当にびっくりしましたから。
本の外の世界や読者も巻き込みつつの物語、これは実際に体感してみないと分かりません。
で、星は三つ…。
これはただもう私の未熟なせいです(>_<)
これはただもう私の未熟なせいです(>_<)
とにかく知識不足で、消化不良感がむずむずと残ってしまいました。う~ん、無念…。
懇切丁寧な注釈付きがあれば、是非読み直したいです(笑)