駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼

甘酸っぱい学園青春モノです。あ、一応ミステリもありますね(笑)
なんかミステリ部分は、青春恋愛モノのスパイスって感じです。
だって、ラストの章以外はミステリ部分を除いても、大筋や印象が変わらないと思うんですよね…なんて(^^ゞ
大仰なトリックや殺人事件がメインだった以前のミステリに比べると、
最近は「日常の謎」と呼ばれる身近な不思議事件を扱った作品も数多く出てくるようになったということで、
「学園」や「恋愛」と絡めやすくなったんですね。(と某テレビ番組で言っていました・笑)
 
<内容紹介>(出版社HPより)
ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初
は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する
彼女は、須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮
やかに解決する。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな酉乃。はたして、須川
んの恋の行方は──。学園生活をセンシティブな筆致で描く、“ボーイ・ミーツ・ガール” ミステリ。
 
マジックとミステリって相性いいんだー、と思いました。
しかも、マジックの仕掛けは明かさないで、それでもきちんと謎解きとからめてて、巧い。
マジックの種明かし番組があったりする中で(見たことないんですけど…)、
明かさないマジック、不思議は不思議のままと言う主張は、マジックへの敬愛の念のようで、心地よかったです。
 
酉乃さんの不器用さ。
須川君の不器用さ。
二人種類の違う不器用さなんだけど、それでも相手を想う思いやりは同じ。
だからちぐはぐになりそうでも、最後きちんと想いは届くんですよね。
そんな一生懸命な姿は心打たれます。
 
軽快な語り口調と裏腹に、どす黒く重たくなりがちな話は、ラノベっぽいですね。
学校生活ってのは、とかく狭い空間にいろんな思いが閉じ込められてるから…(^_^;)
じれったく進む二人の関係は、ほんとうずうずしながら読みました(^^ゞ
最後ようやく一歩踏み込んでくれたポチに、ほっ(笑)
続編もあるようなので、二人の進展が見れるのかなーと楽しみです。
 
星は三つ。
思ったより重ためな話だったのと、ちょっと冗長気味の文章に少し読みづらさを感じて、
厳しめになっちゃいました><
でもこれがデビュー作ですものね。続編も是非読もうと思います(^^)