駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『トッカン the 3rd おばけなんてないさ』 高殿円

好きなシリーズです(^^)
前回出番が少なかった鏡さんがたくさん出てきてくれた上、色んな彼の姿が見れて大満足。
(部屋も覗けたし(笑)でも白ジャージでチカって愛称って、別にあの作品は引っかけてないですよね…??)
過去にまつわるお話は胸の痛い部分もあったけど(鏡さんの過去話は重すぎる…><)、
地元・栃木を愛する姿は微笑ましかったです。
だけど、ニラがキロ単位で売ってるってほんとでしょうか~?

<内容紹介>(amazonサイトより)
お金の警察とも言われる税務署。しかし税金滞納者の取り立てをする徴収官は、誰からも嫌われがちな存在―― ぐー子こと鈴宮深樹は、京橋中央税務署で、とくに悪質な滞納を扱う特別国税徴収官(略してトッカン)の鏡雅愛の下で働く若手徴収官だ。鬼上司・鏡とのコンビも2年目に入り、ぐー子自身もスキルアップ、鏡の罵詈雑言にもちょっぴり口答えできるようになってきた。だが、調子にのりすぎて鏡の故郷・栃木に対する無知をさらし、鏡の怒りを買ったところ、よりによって栃木への出張命令が。徴税対象の登記が管区内にあれば事業実態が遠方でも管区税務署の仕事だ。つまり、出張してでも状況を調べ、場合によっては差し押さえに赴かねばならない。今回の対象は鹿沼にある運送会社と日光の霊水を使った霊感商法。けれど、思わぬところで鏡の元嫁や地元の同級生などが現われて、波乱含みの旅の予感に……少し成長したぐー子の活躍と、気になる鏡の心の内が明らかに! 人とお金の謎に迫る、話題沸騰の税務署エンターテインメント『トッカン』シリーズ第3弾。
 
ぐー子ちゃん、巻を重ねるごとにきちんと成長してますねぇ。
二巻でもかなりの成長を見せてくれたけど、今回更に立派に~。
もう「ぐぅ」とやられることも少なくなってきたのでは?
二人のやり取りもぐー子の成長とともに変化してきて、いい感じで距離を詰めてる感じで微笑ましいです♪
 
しかし本筋は相変わらず、しっかり重いです。
そうですよね、「税金」というお金を扱うテーマですもの。
裕福な人が故意に高額な脱税をするケース、生活の苦しい人が行き詰って税金を払うのが困難なケース、
どちらにも平等に取り立てるのが徴収官です。
ここでは本当に「平等」ということの難しさを感じます。
税金を払うお金もない人に向かって、税金を取り立てる姿は非情にも見え、
徴収官を責める非難の言葉も最もにも聞こえます。
だけど、そこは情を殺して、業務に徹せねばならないのです。
それこそ作中何度も書かれてましたが、業務内で知りえたことはたとえ犯罪であろうと守秘義務にのっとって、
どこにも漏らすわけにはいきません。
そこはもう「徴収」という業務に、人間的感情は必要ないといわんばかり。
だけど、それこそ徹底された平等ということになるのだろうな。
情に揺れて、例外ができようものなら、システム自体が崩れてしまいかねないのだろうから。
でもそんな中、がちがちに固められた法のすき間に、
なんとか人間の情を挟めないかと奮闘するぐー子たちの姿が見られます。
徴収官という、共感をえにくい難しい立場を、この作品では本当に丁寧に伝えてくれるなと思います。
そうやって苦労して集めた税金なのだから、もっと有意義に使ってもらいたいものですが…(-_-)
 
最初、プロローグで思わせぶりに出てきた酒屋さんの話は、結局話のメインではないんですよね。
それがちょっと肩すかし感…。(いや、短い場面でも彼らの叫びには非常に重いものがありましたけどね)
「幽霊」というキーワードをあちこちに絡めて、
いくつもの話にまとまり感を持たせているのはいいなーと思いました。
ほんと、いたるところに「幽霊」がいるものなんですよね。
大人になって色々スルー技術が磨かれていくけど、きちんと立ち止まらないといけないことがあるんですよね…。
 
星は四つ(^^)
新キャラも登場(ドラクエ好きなので、キングスライムネタは受けました・笑)、
そして続編を期待させる伏線などなど、続きも楽しみです♪
二巻の時も言ったけど、次は是非、木綿子さんメインの話が読んでみたいです~。
 
今回も例のごとく返却済みで、雑な記事になってしまいました・・・・反省…。