駄文徒然日記

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『ビブリア古書堂の事件手帖3~栞子さんと消えない絆~』 三上延

今回も安定した面白さでした(^^)やっぱこのシリーズ好きだな。
爽やかそうな設定の中に、ちょっとどす黒いものが漂ってるのも、ラノベらしくてまあありかな、と。
母親との確執や、栞子さんと大輔君の進展をのんびり進めながら、古書に絡ませて展開していくストーリー。
母親の登場が待ち遠しいとか、早く二人がくっついてほしいなどとさほど思わない私には、
ゆるく楽しめてちょうどいい感じでした(^^ゞ
 
<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない―。これは“古書と絆”の物語。
 
今作どれも未読の中で、一話目の「たんぽぽ娘」が一番読みたいな、と思いました。
だって好きな人に贈るようなお話なんですよ?どんだけロマンチックSFなの?って思うじゃないですか!
で、気になって気になって、とうとう読んでみましたよ。
「わー、男の人が好きそうだぁ」って思いました(笑)
うん、確かにロマンティック。でも女性より男性受けしそうな気がしますね。
そして、これ読みながら、大輔君、この短編読めるんなら、本読めるんじゃない?って思いましたね。
確かにとても短いお話でしたけど、なんというか、本が読めない体質というのが、
数行で拒絶してしまうイメージがあったので、それにしては十分な長さを感じたんですよね。
もう大輔君の細かい設定を忘れてしまってるんですけど…。
これを機に本を読みだしたりしていくんですかね??
一話目に出てくる古書の市場の話も、興味深かったです。
古本に匿名で入札していくんですねー。
本の目利きも大事だし、心理戦の要素もあるんだなぁと古本業界の奥深さを知りました。
 
話としては、「春と修羅」の三話目が、一番古書ミステリな感じだったので面白かったです。
出てくる人たちみんなどこか黒かったですけどね(^_^;)
オチもすっきりな感じではなかったけど、でも面白く読みました(^^)
宮沢賢治は「文学少女シリーズ」で遠子先輩も語ってたので、それでなじみがあったせいかもしれません。
あちらも「銀河鉄道の夜」が何度も推敲されていたという話でしたしね。
その「推敲」が、ビブリアシリーズにかかると古書がらみでこうくるのか、とその違いも面白く感じました。
 
星は甘めで四つ。
今回も副題がちょうどいい具合にハマって「絆」のお話になってました。
古書ミステリを楽しみたいので、話の進展はぼちぼちでいいかなーなんて思っちゃいます。
続きも冬には出るそうな。楽しみです(^^)