駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『百年法 上・下』 山田宗樹

ゆとり世代」の次世代を「さとり世代」というんだと、最近新聞記事で知りました。
 
ネットで調べたら次のように書かれてました。(はてなキーワードより)
 
ゆとり世代」の次世代にあたる「浪費をしない」世代のこと。
物心付いた頃から不景気で、浪費を悪と考え、実にまったりとした、穏やかな暮らしを望む草食系世代。経済成長や科学技術の進歩よりも、伝統文化の価値を重視するなどの傾向がみられる。
 
尾崎の歌詞にもまるで共感しなくて、反抗期もないんだそうで、なんか感性が老成している感じですよね。
今は、高齢者の方がもっと溌剌としてる印象です。
社会がちょっと消耗しきっちゃってるのかなぁ。
 
そんなことを考えさせられた、この『百年法』。
「老い」とは、「生きる」とは、ということをつい考えてしまいます。
生きることが惰性になると、老いが始まってしまうのかな…。
 
<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化格差社会国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。
 
戦後、不老技術の導入など、現実とは違う世界を進んだパラレルワールドを描くこの作品ですが、
舞台設定は現実と違えど、政治家だとかの言ってることやってることは、現実とすごく通じるものがあり、
リアリティを感じながら読みました。
こういう状況だったら、確かにそういう結論に達しちゃうかもなーと、
物語的にいやーな展開にこそリアリティを感じてしまうんですよね…。
政治家の狡さとか、国民の流され感とか。
 
国をよりよくしたいが故に、遊佐が独裁という道を選ばざるを得なかったのとか見ると、
英伝と重ねちゃいますね。腐敗した政治は、まずは一掃するしか道はないのかなぁ。
現在と重ねて考えるとぞっとしちゃいます…。
 
先行きが見えない展開を面白く追いかけるSF作品で、
高野和明さんの『ジェノサイド』を読んだ時の興奮に似たものを感じました。
でも『ジェノサイド』に比べると、作者の主張は抑え気味で、ライトめなエンタメ作品になってると思います。
上巻で、近未来風なパラレルワールドに入り込んでいくのはとても楽しかったですが、
下巻ではちょっと失速感があったかな。
オチに少し物足りなさも感じるけれど、ラストの方の盛り上がりは爽快でした。
総じて、満足いく読書でした(^^)面白かったです♪
 
読み終えて、ずいぶんたつので、えらくざっくりな記事になってしまいました…(^_^;)