駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『播磨灘物語(一)』 司馬遼太郎

はい、例のごとく大河の予習で読み始めましたー!
実は去年から読んでたんですよねー(^_^;)
図書館本の合間に読んでたんですけど、なかなか読み終わらなくて…(^^ゞ
というのも、戦国知識があまりないもので、
ほんと一つ一つたどりながら読んでいくって感じで進まない進まない(^_^;)
文章はとても読みやすかったんですけどね。
旦那から「いつまでそれ読んでんの」と呆れられました(^^ゞ(戦国好きな旦那の本なのです)
 
さて、この作品は全四巻。今回は一巻目ということで、話は序章といった感じです。
官兵衛もそんなに見せ場はありません。
(黒田家の祖先の話から、官兵衛が荒木村重と出会うところまでが描かれています)
地味ですよねー、官兵衛。
元が浪人家系ですし、イマイチ冴えない領主の下でなかなか本領発揮できずに、
なかなかじれったい巻でした。
一巻の終わりあたりではもう30歳になってるのですが、未だ田舎で燻ってる状態です…(^_^;)
軍師ですから、自分が先頭切って、相手を倒していくというよりは、
物事を広く見て、じわじわと策を練っていくわけですもんね。
ですからこの一巻も他の武将ものに比べるとずいぶんじれったい展開なのだろうなーと思いました。
(戦国物をあまり読まないので、わからない…)
 
そんなじれったい部分はありつつ、でも読んでてとても楽しかったです。
官兵衛とは関係なさそうな知識も懇切丁寧にふんだんに散りばめられていて、
官兵衛というよりこの時代を知るのにはすごくわかりやすいです。
でも逆に官兵衛の生きざまだけを読みたいんだという人には、
余計な話が多くてテンポ悪く感じられるかもしれませんね~。
 
のちに名軍師となる下地があちらこちらに見られて、ほほーっと唸るばかり。
とても丁寧に官兵衛像が練り上げられていて、なぜ官兵衛がキリシタンになったのかなど、
納得いく流れになっています。
とにかく司馬さんの筆致が心地いいのです。
歴史背景が、膨大な知識をもってして描かれているので、
わかりやすく、かつ奥深く、読んでて本当に興味深い。
実に多方面からの分析に富んでいて、様々な切り口からその舞台をうかがうことができます。
(その分、構成上かなり自由な感じで書かれてるわけですが)
読み始めると、まず「官兵衛の祖先をたどる…」というような実地検証から始まるのでびっくりします(笑)
でもそこまで辿ってこの話を書かれるのかーと思うと、説得力がさらに増すんですよね。
司馬さんの現地レポートから始まり、やがて黒田家の物語は始まります。
まずは官兵衛のおじいちゃんの話から。
もう、黒田三代知恵者なんですよ。
この家系からあの官兵衛が出てくるわけかー納得納得って感じで、本人の話じゃなくても引き込まれました。
 
官兵衛は、一巻じゃまだ身の程を弁えすぎていて、田舎にとどまっていて、
戦国の世で名を挙げるという感じじゃありません。
少しずつ人脈や見分は広げているけど、自分の将来のためというより好奇心に任せた風ですもんね。
でも謙虚なとこも、自分を客観的に見すぎてるところも、
頭でばかり考えるんじゃなく情に任せるところも、とても魅力的です(^^)
この先どんな風になっていくのか楽しみです~。
 
で、悩ましいことに、大河にハマれないんです…(>_<)
楽しみにしていたのに、なんだか大河の官兵衛にはイマイチ魅力を感じられなくて…。
最初の方で、主人公になかなか魅力を見いだせなかったのは「平清盛」も一緒なんですが、
それでも脇役さんの濃い演技に惹かれて楽しく見てました。
岡田君は頑張ってるし、脇役さんも悪くない気はするんだけど…なんで面白く感じないんだろう…。
やっぱ脚本&演出に問題があるのかなぁ?
今見てる、昔の「太平記」の方が遥かに面白いんだよなー(-_-)
官兵衛の軍師ぶりが描かれだしたら面白くなるかな??
と期待して、頑張って見続けようと思います~。