駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

雪組 『JFK』 一路真輝

久しぶりのヅカ記事でーす(^^ゞ
ジョン・F・ケネディの暗殺を絡めた本を読んでいるところなので、
それに関連してこの作品を見ることに。

いっちゃん(一路真輝)主演の作品。

ずっと前、ヅカファンになりたての頃に、テレビ放送で見たことあったんですけどね、
その時は史実に添って進んでいく話が宝塚的に物足りなくてそれほど好きじゃなかったんです。
私はやはり、トップコンビの恋愛をがっつり見たいと思ってしまうので。
でも、今回はケネディメインで見たかったし、
そして久しぶりに見た、一路さんトップ時代の雪組さんの質の高さに圧倒されたのでした。
とても見やすくて面白かったです!
全体的に小池先生だなーって流れですね。
冒頭にラストシーンを持ってきて、回想から話が始まり(今回は二重回想になってますが)、
ラスト直前に狂気の場面。この構成好きです(^^)
史実を追いつつも、夫婦の関係の変化をきちんと抑えて、
夢(=アポロ計画)を追いかけるという、宝塚にふさわしい作りになっていたと思います。

この組で初演『エリザベート』をやるわけだわ、と思わず唸ってしまうほどの歌唱力の高さですね。
いっちゃんをはじめ、みなさんほんと歌が素晴らしい。
歌い上げる曲も多くて、聴きごたえのある場面がたくさんあります。

いっちゃんのジャック、いいですねー。爽やかで誠実で、でもやんちゃな憎めない部分もあって。
女好きという設定ですから、女性をたくさん侍らせたりするんだけど、
ヅカらしく品よくて、全然憎めない。(さすがにモンローとの関係は脚色いれられてましたけどね)
「愛されすぎる男」というフレーズが、本当にいっちゃん演じるジャックによくハマってました(^^)
それでいて、一国のトップに立つ大統領の風格というのもあるんですよねー。
清々しい大統領ぶりがとても素敵でした(^^)

花ちゃん(花總まり)のジャクリーン。
出番が細切れで、出てくる度に、ジャックへの感情ががらりと変わっていくという
難しい役であったけれど、さすが花ちゃんです。
全く違和感を感じさせることなく、説得力のある演技で見事にジャクリーンを表現していました。
だからちょっと出てくるだけでも、その時のジャクリーンの気持ちはわかるし共感できるので、
政治的要素の多い話なのですが、ちゃんと夫婦のロマンスの印象もきちんと残せていたと思います。

ゆきちゃん(高嶺)はジャックの弟・ロバート役。
出番が少なくて、ちょっと役不足感はあるのですが…(^_^;)
でもまあ、リンゴちゃん(小乙女幸)演じる夫婦のやり取りがよかったし、
歌の見せ場も何度かありましたからね。
(でもゆきちゃんって、あまり二番手らしい待遇受けてないですよね…(^^ゞ)

イシちゃん(轟悠)のキング牧師
存在感は相変わらずすごいし、よくハマっていたので、もっともっと見せ場がほしかったなぁ…。
キング牧師のスピンオフが見たい感じです。
しかし少ない場面でも、力強い場面の印象が残りました。

タータン(香寿たつき)のフーバー長官。
これ見て、タータンの悪役に惚れたんですよねー。もうすっごいかっこよかった。
表面的なワルじゃなくて、主人公に相対する立場的悪役と言いますか、ブレない凛々しさがありました。
やってることは盗聴とか、小物っぽかったりするのですが(笑)、
そんなこと全然感じさせない貫禄でした!

ゆりちゃん(星奈優里)のモンロー。
ゆりちゃん自体はセクシーなイメージじゃないけど、セクシーなモンローを雰囲気で演じていました。
しかも、「セクシーなモンロー」というのを前面にじゃなくて、
「ノーマジーン」という全然違う素の部分も見せる役で、
ちょっと愛らしく声高にしゃべりつつ(モンローっぽくするためかな?)、
動きでどこかセクシーさを残しつつ、と絶妙に演じられていたなと思います。
ただこちらも、短い出番の間にころころ立場の変わる忙しい役で、
大変だったろうな、と思いました(^_^;)

雪組ファンとしてこのお芝居を見に行ったとしたら、役が多すぎて、トップ娘役をはじめ、
二番手三番手と出番が少なくて、物足りない思いはするかもしれないな、と思いました。
でも作品として見たら、非常に小池先生らしい構成で、場面場面に見ごたえがあり、
そしてケネディという実在の人物を、
宝塚の英雄らしく爽やかに仕立て上げたよい作品だったと思いました(^^)