駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『純喫茶「一服堂」の四季』 東川篤哉

ふふ、東川さんの作品、なんか息抜き感覚で読んじゃいました(笑)まあ、「一服堂」ですし。
なんかこう、ぬるま湯的なのがいいですよねー。雰囲気ゆるゆるなのがいい具合でした。
…って、内容は猟奇殺人オンパレードなんですけどね!
グロイ話はダメな私ですが、切り刻まれた死体のパーツが浴槽に「プカプカ浮いていた」
なんて書かれてますからね(笑)いや、プカプカって!
そんな感じなので、私でも楽しんで読めましたー。


<内容紹介>(出版社HPより)
鎌倉の路地裏でひっそり営業する古民家風の純喫茶「一服堂」。
エプロンドレスがよく似合う美人店主は、超のつく人見知り。
ただし、持ち込まれた難事件を推理するときには、態度も口調も豹変する! 事件の現場には一歩も踏み込まず、いや店の敷地から一歩も出ずに推理するのは、猟奇事件ばかり!
四季の怪事件をユーモアたっぷりに描く極上の傑作推理短編集!


なんつーか、表紙を見ればわかりますが、流行り路線のパクリ設定。
なんの意図があってかよくわからないけど(^^ゞ、
色々表紙の雰囲気ぶち壊しなところが東川さんですね。
旨くない珈琲、極度の人見知りのバリスタ店主、全然落ち着けそうにない喫茶店ですよ。
そこに持ち込まれる猟奇殺人事件を、バリスタ店主のヨリ子さんが、安楽椅子探偵役で解いちゃうわけです。
その豹変ぶりはびっくりでしたけどね。自虐ツッコミ…壊れてますよ、ヨリ子さん。
ちょっと引いちゃったじゃないですか(^_^;)

最近の作品はトリックが粗い気がしたけど、今回のは結構面白かったな。
無理やりな笑いもちょっと控えめで、トリック重視な感じで、割と真面目にミステリでした。
(あくまで東川作品としては、ですが)
トリックは、強引と言えば、相変わらずの強引さなんですが、さすが猟奇殺人というだけあって、
殺人現場だけでインパクトありますし、オチもなるほどって感じで面白く読めました。
でも、最後の章のトリックはひどい(笑)東川作品だから許されるネタですよね。(いや、あれを許すのか!?)
あれは、ジャコウネコから引っ張ってきたネタだったんだろうか…。
珈琲とかけるなんてうまい、いや、やっぱ色々不味いだろ!などと一人わからんツッコミをしておりました…。
最終章、トリックはひどいが(笑)、全体をつなげた仕掛けにはやられました。
読み返すと、確かにどの章もちょっと違和感がありました。読んでる時には全然気づかなかったな。
なかなか面白い仕掛けだな、と思いました。

きれいに一冊で終わった感じだけど、続編とか出たりするのかなぁ?