駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

夏目漱石の『坊っちゃん』を読みました。

それも児童書で(笑)
挿絵付きふりがな付きの偕成社文庫で読みました。
子供向けの語彙説明はとても役立ちました(笑)

夏目漱石、「こころ」は大好きなんですけど、それ以外がなかなか合わなくて、
なかなか自分の期待するような漱石読者になりきれません。
漱石先生自身にはすごく関心があって、漱石読者になるのが憧れなんです…><))
三四郎」「それから」はなんとか読んだけどぱっとしなくて、「門」は途中で挫折。
漱石先生の文章は小気味よく、現代にも通じる感覚、センスは素晴らしいと思います。
そんな風に部分部分に惹かれるところはあるけれど、
作品一本読み通すとなると、私にはハードルが上がるようです…><
それでも「坊っちゃん」なら読めるだろうし、ちゃんと読みたい!と思っておりました。
いつか読もうとずるずるしているところに二宮君主演でドラマ化の話が!
「おお、チャンス」(オオチャンスではない・笑)と思い、これを機にようやく重い腰を上げることに。
読み始めるとあっという間に読めました(^^)/
すごく面白かったです。

しかし驚いた。
この話のヒロインはマドンナじゃなく、清だったなんて!!!
(この作品は坊っちゃんと清の物語だと思います…)
そっか、マドンナは坊っちゃんの憧れの女性とかじゃないんだ…。まるで存在感なくてびっくりだわ。
それに引き換え、坊っちゃんの清への思いの強さと言ったら!
坊っちゃん、何かにつけては清、清って、どんだけ清一筋なんだー!!
でもそうか、「坊っちゃん」ってタイトルからして清視点だものな。
坊っちゃんの中で、清は理想の女性ならぬ、理想の人間、あるべき人の姿として存在するのだろうな。
身分や肩書や慣習に対してくそくらえと言わんばかりの坊っちゃんが、
大人になってもその主張を通してゆけるのは、清という心の柱があるからなんでしょうね。
無償の愛というのは本当に高潔だ。
その役目が母親ではないというのがまた漱石らしいな。(彼は幼少時代、苦労してるから…)

あとすごいのは松山市でしょう(笑)
松山には「坊っちゃん」名物がたくさんあるそうですが、
坊っちゃん」という作品で松山は田舎扱い甚だしいですよね!?
東京至上主義の坊っちゃんは温泉以外は褒めず、
人も土地も田舎もんだと馬鹿にしてくそみそに言ってますよ?
離れるときもせいせいしたといわんばかりで、未練も何も見えないし。
それなのにちゃっかり観光資源にしちゃう度量は、田舎ならではの懐の深さゆえなんでしょうかね?
ぜひそんな松山市に観光に行ってみたくなりました(^^)/

幼いころから無鉄砲でまわりに迷惑をかけた坊っちゃんが、遠く離れた地へ行き、苦労するというのに、
そこで人間的成長や変化がほとんどないというのに、笑ってしまいました。
普通、そこは人生の経験を積む場となって、成長して周りとの和解を覚えたりするんじゃないのか!?
そんな通り一遍ではない話を書かれる、頑なで偏屈な漱石先生はやはり好きだなーと思います(^^)
やはりもうちょっと他の作品も頑張って読んでみよう…と密かに決意…。
さて、次に読みやすい作品はなんだろう…。おススメがありましたらぜひ教えてください~。