駄文徒然日記

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『ラメルノエリキサ』 渡辺優

うーん、期待して読んじゃったからかなぁ?あっさり読み終わっちゃって、「え?もう終わり?」という感想。
評判よさ気だったから、もっと驚く展開があるんだと勝手に思ってた…(^_^;)


<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
女子高生・小峰りなのモットーは、どんな些細な不愉快事でも必ず「復讐」でケリをつけること。そんな彼女がある日、夜道で何者かにナイフで切り付けられる。手がかりは、犯人が残した「ラメルノエリキサ」という謎の言葉のみ。復讐に燃えるりなは事件の真相を追うが―。


イマドキっぽさはありましたね。
主人公の「復讐癖」のある少女が、口悪く毒吐いてるのとか、ラノベっぽくもあり、
若い人は食いつきやすいかなーと思いました。
でも私はあんまり好みじゃなかったなぁ。
私が主人公とはまるで世代が違うというのはあるんでしょうけど、
でも例えば辻村深月さんの描くイタい女子高生とか、共感しなくても引き込まれたりしますもん。
だけど今回はそういうのも全然なくて、物語を外から「ふーん」って見てるだけで終わっちゃった感じでした。
すぐ復讐に燃えちゃう、主人公りなちゃんが強烈キャラで、そういうのは刺激的だったかと思います。
りなちゃんの、マザコンをこねくり回したような歪んだ感情も、若い人は共感するのかしら?
大好きが突然大嫌いになるような、感情が、ベクトルを突然変えるように行き来する様は、
いかにもラノベっぽかったです。そういうのは嫌いじゃなかったんだけどな。

「ラメルノエリキサ」という不思議なタイトルは、主人公を刺した犯人が残した言葉。
その謎解きは、まあ悪くなかったけど、その真相も、犯人像も、
主人公の強烈キャラを超えるインパクトがないから、
なんか「ああそうなんですか」ってうやむやの中で事件が終わったようで消化不良感が残りました。
その真相以上に、お姉ちゃんのブラックなオチの方がインパクトあるんですけどー。
そして劣等感という意味でマザ―コンプレックスを抱いてるりなちゃんの完璧ママは、
どこか普通じゃないようで、なんかオチがあるのだろうかと勝手に想像したせいで、
結局、特に描写はないことに消化不良感…。
この尋常じゃない姉妹の母だから、さぞすごいお方が出てくるんじゃないかと期待しちゃった。

そんなこんなで、りなちゃんちの家族のキャラの強烈さに、ミステリ要素が全然敵わないということで、
そのちぐはぐ感が私にはイマイチに感じられたようです。
まあ、好みの問題かな。