駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

『惑星カロン』 初野晴

お久しぶりのハルチカシリーズです。
今回のは読みやすかったなぁ、良くも悪くも。
初野さん大好きだけど、文章がちょっと読みにくい、
そして話の展開が読みにくいという二つの読みにくさがあるんですよね。
(文章が読みにくいと思ってるのは、多分私くらいだと思いますが…(^_^;))
でも、私は初野さんの魅力って、どこか突拍子もないとこだと思っていて、話がポンと飛んじゃうとことか、
展開が予想もできないとこへ行ってしまったりする感じが独特で好きなんです。
そういう意味では、今回は初野さんっぽさは薄かったかもしれない…。
でも読みやすかった分、素直に楽しめましたよ。

今回の文章の読みやすさの一つに、ハルチカの掛け合いが多かったことが挙げられると思います。
部員その他のメンバーの活躍が根こそぎ奪われ、
ハルチカシリーズというからには、私たちが主役です」と言わんばかりに出番が多かったです。
過去に「チカちゃんどこいった?」と思うくらい出番のない本もありましたので、
今回は彼らの汚名返上の回だったのでしょうね(笑)
しかしミステリのネタは、ちょっと安易でしたよね…。初野さん、ネタ切れ?って思ってしまった。
あれ?このネタ使ったことなかったっけ?とミステリ読みじゃない私が思ってしまうくらい、
ありふれたネタでしたよね(^_^;)まあ、その料理の仕方に、初野さんらしいひとひねりはあったわけですが。

<内容紹介>(「BOOK」データベースより)
コンクールと文化祭を経て、ちょっぴり成長した清水南高吹奏楽部。さらなる練習に励むハルタとチカのもとに、またもや難題が持ち込まれて―!?チカが手に入れた“呪いのフルート”や、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた“鍵全開事件”、謎の楽曲「惑星カロン」との出会い…。頭脳明晰な美少年ハルタと、元気少女チカの名コンビがおくる珠玉の青春ミステリ!

ネタバレはないですが、読んだ人にしかわからない感想を各話ごとに少々…。

「チェリーニの祝宴 ―呪いの正体―」
呪いっていうんですか…あれは(苦笑)巷に出回るいかにもな呪いだって、所詮本人の心理状態によるもので、
こんなチープな呪いと変わんないよってことを茶化していってんでしょうかね?
ここでは、フルートを上達したいばっかりに迷走してしまうチカちゃんがかわいいです(笑)

「ヴァルプルギスの夜 ─音楽暗号―」
この話は今回の中で一番初野さんっぽく感じたなぁ。
展開の突拍子のなさとか。オチは使い古しで苦笑いだったけど、
でも音楽に暗号を潜ませるというネタは私大好きだったし(バッハとかクララとか)、
先が予想つかなくて強引な展開がいつものハルチカっぽかった(笑)
ただ唯一、ハムちゃんの描写が辛かった…(涙)ハム愛好家なので、私。

「理由ありの旧校舎 ─学園密室?─」
これは、ちょっと安易な感じでネタ的にどうなのと思わないではなかったけど、
もうね、日野原会長が出てきてくれたというだけでホクホクしながら読めました(^^)
もう引退して出番ないかと思ってたけど、そうか、さっさと推薦とって、受験勉強しなくていいのか。
だとしたら、まだまだ首突っ込んできてくれるな、よし!

「惑星カロン ─人物消失─」
デジタルツイン云々の話は、私には少々難解でミステリとして楽しむことができなかったんですが、
構成的に今までの話を引き受けた形になってて、そこに感心しました。
草壁先生の素の顔もちょっと見えてきて、ドキドキしちゃった。
そろそろ草壁先生の謎が紐解かれてきそうですねぇ。

そして今回のMVPキャラは、チカママでしょう。さすがチカちゃんの母親…納得だ。

このたびアニメ化され、ファン層を広げた感のあるこの「ハルチカシリーズ」ですが、
次は実写化されるんだそうですね!知らなかった。(アニメも見てないし、映画も見ないと思うけど)
このシリーズのファンですが、ちょっとマニアックなところがあると思っていたので、
この展開には少々驚いております…。
まあ、好きなシリーズに人気があるのはいいことですもんね。
次はもうちょっと早く続編がでるといいなぁ。