駄文徒然日記

移行したばかりです。これから整理していきます。

宙組『風と共に去りぬ』 凰稀かなめ

ヅカ視聴日記。
久しぶりのヅカ記事…。へへ。

テルさん(凰稀かなめ)主演。
役替わりがあった公演ですが、私が見たのはNHKの録画で、Aパターンです。

久しぶりに見たなぁ。「懐かしいな、風共」と思いながら見てました。
古典的お芝居もある意味新鮮(笑)。
なんかザ・宝塚な感じですね。

脇役さんまでもがみんな美形で…。さすが銀英伝をやった組だ…。
民衆のお芝居からも目が離せませんでした~。

最初に配役を見て想像した以上に、とてもよくみなさん役にハマっていて、とても見ごたえがありました。
配役を見たときに、そこそこハマってるな、とは思ったのですが、
テルさんのバトラーはちょっと物足りなそうに思えたし、
でかいまぁくん(朝夏まなと)のスカーレットはどうだろうと心配したのですが、いやいや、いらぬ心配でした。

テルさん、素敵なバトラーでした~><
線が細くて、スカーレットと並ぶと輪っかドレスのまぁ君に隠れてしまいそうな細さでしたが、
お芝居がちゃんと太い!ダンディ!
テルさんの、役の心情がちゃんと届くお芝居が好きだ~。
スカーレットを激しく責める場面も、バトラーの胸の痛さがちゃんと届くから、バトラーを責める気になれない。
テルさんのバトラー、予想以上にお似合いでした。

スカーレット役。まぁくんの陽性がうまく役に作用していて、華があってキュートなスカーレットでした。
勝ち気でわがままなのに、嫌な女にならないのは、
スカーレットが自分の気持ちにただただ率直なだけだとわかるからでしょう。
アシュレへの一途さも必死なんですよねー。
アシュレがメラニーを想ってスカーレットに頼みごとをしてるのに、
そこはスルーしてアシュレの優しい言葉だけに目を輝かせるスカーレット。
アシュレのメラニーへの愛情には目をそらして、アシュレへの想いだけにしがみつく、
どこかかわいそうなスカーレットなんですね。
それでも嘆くだけの女性じゃなくて、生き生きとした生気に満ち、凛とした強さが光ってるのがいいです(^^)
熱演も素晴らしく、タラの場面や、最後バトラーに泣きく場面では泣かされました><
男役さんのスカーレットって好きです。テルさんのスカーレットも見てみたいなぁ。

バトラーとスカーレット。古来からの価値観に振り回されない似た者同士の二人。
そこにバトラーは惚れたのだけど、スカーレットは王子様に憧れる女の子でしたもんね。
そこはお子様だったってことで、二人が成就しない一因となっていくわけですね。
二人、好きな人を一途に思い続けるところもよく似てる。
しかしずっと待っていると言いながら、最後スカーレットから離れていくバトラー。
予想以上に嫉妬に狂う自分や、スカーレットを死なせかけた自分を許せなかったのでしょうね。
そんな苦悩も丁寧に表現してくれるから、今回はすごくバトラーに感情移入してしまいました…。

アシュレ役のともちん(悠未ひろ)。
何かと悪役が多いともちんですが、悪い役をやりながらもいつも人の好さがにじみ出ていたので、
今回のアシュレは合うんじゃないかと思ってたのですが、やはりよかったですねぇ。
あんなにガタイがでかいのに、ちゃんと女性にすがるような弱さもちゃんと出ていて、アシュレでした。
アシュレはなかなかつかみどころのない男で、共感を得にくい役じゃないかと思うんですが(苦笑)、
ともちんのアシュレは素直でまっすぐなアシュレでしたね。
単純だからこその浅さも、アシュレらしかったかと思います。
役としてのアシュレには魅力を感じないのですが、今回はアシュレはかわいくて、よかったと思います(^^)

せーこさん(純矢ちとせ)のスカーレットⅡもいいなぁ。
男役のまぁくんに負けない対等な力強さがありながら、ちゃんと娘役らしい柔らかさと繊細さもあって、
まぁくんスカーレットの中にある理想のスカーレットという感じが出ていて、
二人のやり取りはとても楽しかったです。

メラニー素敵!どこを切ってもやさしさしかないという感じのメラニー役を、
みりおん(実咲凜音)が見事表現していました><
きれいなものしか見えない浅いやさしさではなく、全てを見抜いた上での、悟りのような優しさでしたね。
自分がアシュレとくっついたのも、アシュレとスカーレットを想ってだったんじゃないかと勘ぐってしまうほどの、
仏のメラニーでした。
(スカーレットの気持ちも、アシュレの弱さもわかった上での結婚だったのかな。
夢見るアシュレと現実派のスカーレットがくっついてもうまくいきそうじゃないですしね)

きたさん(緒月遠麻)のベルも良かったです。意外と女役もいけるんだなぁ。
蔑まれるような商売をしながらも、自分の中に一本芯が通ってる様が良く表れていました。
メラニーとの絡みが泣けました。

すっしーさん(寿つかさ)、大好き。
ミード博士の場面になると、突然リアルなお芝居になるような感じがあって、なんか別格でした。
言葉一つ芝居一つにすごく説得力があって、重みがありました。

マミー、すごい。汝鳥伶さん、すごい。
スカーレットのこともバトラーのこともよくわかってて、それでいて押しつけがましくない優しさで、
二人を見守っているんですよね。
それがちゃんとでていて、お芝居に泣かされました。

古い作品で、昔ながらの古臭い演出に苦笑してしまうところもあるのですが、
出てくる曲は一緒に口ずさんでしまうくらい染み込んでいるし、やはり名作だなぁと思いました。
面白かったです。

余談。今回NHKで見たので、スカステとは違う撮り方もなんか新鮮で面白かったです。
カメラアングルだけで、舞台がドラマチックになってました。
(シンプルにお芝居が見れるスカステアングルも好きです(^_^))